日本オラクルは2月2日、クラウド基盤「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の仮想マシン(VM)上で「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)を実行可能にする「Red Hat Enterprise Linux on OCI」を発表した。米Red Hatと米Oracleは1月31日、OCIとRHELに関して複数段階にわたる戦略的協業を発表しており、今回の発表はその第一段階に位置付けられる。
OracleのLeo Leung氏
OracleのOCIプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントを務めるLeo Leung氏は記者会見で、「現在、Fortune 500企業の9割がRed HatとOracleの製品を利用している」といい、今回の戦略的協業によって、動作保証された構成としてOCIのVM上でRHELを実行できるようになったと語る。RHEL on OCIについては今後、両社が共同体制でサポートを提供していくことも強調した。
また、Leung氏は、RHELをOCI上で運用する利点として、パブリッククラウドやハイブリッドクラウド、「OCI Dedicated Region」「Oracle Alloy」などの幅広い環境でRHELベースのワークロードを運用できることを挙げるとともに、OCIの柔軟なVM構成によってコストパフォーマンスを最適化し、リソースの無駄を最小限に抑えることができると話す。
OCIでRHELを実行するメリット
認定されたRHELのバージョンとOCIのVM構成
RHELはまず、Intel、AMD、Armの各プロセッサーを使用するOCIのVMでサポートされる。RHELをOCI上に展開する手順としては、(1)RHELイメージをダウンロード、(2)OCIのオブジェクトストレージにRHELイメージをアップロード、(3)OCIコンピュートにRHELイメージをインポート、(4)OCIのVMを起動――となっている。
OCIへのRHELの展開手順
なお、OCIのベアメタルサーバーにRHELを搭載し、オンプレミス環境と同等のパフォーマンスと高い分離性を実現するための計画も開始されているという。