オペレーティングシステムの世界でもっとも変わった名前のOSは、System76が自社開発した「Linux」ディストリビューションである「Pop!_OS」だろう。
提供:Jack Wallen
このPop!_OSは、Linux PCメーカーであるSystem76が販売しているデスクトップやノートPCに搭載されているOSで、驚くほどシームレスなハードウェアとの統合を実現している。オープンソースであることを除けば、System76がPop!_OSでやっていることは、Appleが同社のOSでやっていることと同じだと言っても過言ではない。
System76のハードウェアで動いているPop!_OSは、「すべてがきちんと動く」という域を超えて「すべてが完璧に動く」という域に達している。例えば、筆者が使っているデスクトップマシンである「Thelio」は同社の製品だが、これまでに使った中でデスクトップPCの中で一番のお気に入りだ。
大げさに聞こえるかもしれないが、これは本当の話だ。
筆者は1997年からLinuxを使っている。入手可能なありとあらゆるディストリビューションを使ったことがあり、自作したマシンか購入したWindowsマシンかを問わず、さまざまなデスクトップやノートPCにLinuxをインストールしてきた。最初の頃は、すべてを問題なく動かすのは本当に大変だった。
今では、ほとんどのLinuxディストリビューションが、最新のものも含めてハードウェアを認識し、機能させるという点では卓越した仕事をするようになった。しかし、System76のマシンで動くPop!_OSのパフォーマンスと信頼性に肩を並べられるLinuxディストリビューションはほとんどない。
美しささえ感じるほどだ。
もちろんPop!_OSは、System76のデスクトップやノートPCでしか動かないわけではない。むしろその逆だ。Pop!_OSは、64ビットのx86アーキテクチャまたはARMアーキテクチャ(「Raspberry Pi 4」も当てはまる)、4GBのRAM(推奨は8GB)、20GBのストレージという最小ハードウェア要件さえ満たしていれば、どのようなシステムでも使える。
このOSは、古い(Intelベースの)Appleのハードウェア(「MacBook Pro」や「iMac」)にさえインストールできる。
名前の由来
System76の最高経営責任者(CEO)であるCarl Richell氏にPop!_OSの名前について尋ねたところ、次のように説明してくれた。
この名前は、私たちが以前試していたSystem76独自のOSのグラフィックデザインである「Pop!_Theme」に由来している。アンダースコアは、System76のロゴの、文字の丸い部分を下から持ち上げているような部分から拝借している。「Pop」という言葉は、われわれが採用したエネルギッシュな色使いに由来する。
私たちはその後カスタムディストリビューションを試作し、「Pop」が「Pop!_OS」の名前に進化した。その背景には、コンピューティングは楽しくあるべきだという私たちの信条がある。「Pop」という名前が持つ明るいイメージは、私たちがユーザーのために作ったOSをユーザーに楽しんで欲しいという願いを表現している。