立命館大、AI活用の警備システム導入--侵入や転倒を素早く通知

大場みのり (編集部)

2023-04-21 15:43

 学校法人立命館は、AIを活用した警備システム「アジラ」を本格導入した。4月から立命館大学・大阪いばらきキャンパスで利用している。提供元のアジラが4月21日に発表した。国内大学における同システムの本格導入は初めてだという。

立命館大学・大阪いばらきキャンパスの様子
立命館大学・大阪いばらきキャンパスの様子

 アジラは既存の防犯カメラにAI機能を組み合わせ、けんかや侵入などの迷惑行為、転倒やふらつきなど助けが必要な動きを検出した時のみ、瞬時に映像を通知するため、映像をモニタリングする警備員の業務を軽減するほか、見落としをなくすことが期待される。

 立命館は2022年12月から、同校の新たなキャンパス創造の取り組みとして、立命館大学・大阪いばらきキャンパスの防犯カメラにアジラを設置し、試験的に導入・運用してきた。4カ月の試用導入期間に運用面の確認、課題の洗い出し、警備体制の見直しを行い、同キャンパスでの本格導入を決定した。

 不特定多数の人々が出入りする大学のキャンパスには、従来多くの防犯カメラが設置されているが、カメラ映像の活用範囲は録画にとどまっており、事件や事故が発生してから確認などに利用されることが大半だった。

 アジラは、各カメラに録画されている通常行動をAIが自律学習し、通常行動から逸脱した動きを「違和感」として検知。不審な行動や助けが必要な状況を捉え、すぐに通知することで事件事故の防止を図る。

 同システムは、既設のカメラをそのまま利用でき、サーバー1台で最多50台分のカメラ映像を解析する。また、ローカルで完結するネットワーク構成により映像が外部へ流出するリスクが低く、安全な環境で利用できるとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]