ガートナージャパンは6月7日、企業のソフトウェアエンジニアリングプラットフォーム(SEP)の利用状況を調査した結果を発表した。それによると、ビジネスプロセスオートメーション(BPA)、サービスとしての統合プラットフォーム(iPaaS)、API管理が50%を超えていた。
調査は、SEPに関する同社への問い合わせが増えているとして、2月に問い合わせの多い主な6種のプラットフォームの利用状況を調べた。有効回答は300件だった。
企業の利用率は、BPAが54%、iPaaSが52%、API管理が51%、データ統合ツールが48%、ローコード/ノーコード開発ツールが43%、イベント駆動型テクノロジーが31%で、1年以内の利用予定ではAPI管理が15%で最も多かった。
主なソフトウェアエンジニアリングプラットフォームの利用状況(出典:ガートナージャパン)
利用率最多のBPAは、かつてはビジネスプロセスマネージメント(BPM)のカテゴリーで認識されていたが、同社はDXや働き方改革を背景に、業務の業務の効率化、省力化、高速化への自動化という文脈で関心が高まり、コロナ禍で急激に導入が進んだようだと解説する。
またAPI管理は、1年以内の利用予定も含めると今後利用が最多になる見込みだという。企業で多様なAPIの生成や利用が増えており、APIの接続や変換だけでなく、APIに適切な利用に必要な管理技術の適用が拡大していくという。
シニア ディレクター アナリストの飯島公彦氏は、アプリケーションの多様化で多様なプラットフォーム利用が拡大し、結果として企業が利用するSEPは複数の種類が必要になり、今後さらに増える傾向にあると解説。企業には、(1)拡大する複数のプラットフォームの利用状況を部門横断的かつ定量的に可視化する、(2)全社的なプラットフォーム環境のあるべき姿と各種プラットフォームに必要なケイパビリティーを洗い出してプラットフォームテクノロジーの選定基準、ガバナンス、プロセス、管理基準とそれらを遂行するプロセスを作成すること――などの取り組みが必要になるとしている。