日立製作所は6月6日、クラウドストレージサービス「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud」(VSP on cloud)の提供を開始した。同サービスは、オンプレミスとクラウドにまたがるミッションクリティカル環境での、高信頼かつ柔軟なデータの利用や活用を可能にするもの。
同サービスは、日立のハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi」のメニューの一つとして提供される。Amazon Web Services(AWS)と連携して構築された。
ハイブリッドクラウドソリューションの強化ポイントと利用イメージ
VSP on cloudは、AWS上で日立のストレージOSを搭載したデータ基盤が利用可能で、ミッションクリティカルシステムの高信頼を支えてきたシステム構成や運用を、AWS上に適用できる。そのため、クラウド移行に伴う構成や運用の再設計、構築、検証などのカスタマイズ作業の負担を大幅に低減できる。
また、クラウドに移行したシステムはオンプレミス同様に日立が運用するため、クラウド利用に伴う運用負担の増加を極小化できる。これにより柔軟なハイブリッドクラウド環境を実現でき、ビジネス環境の変化への適応に貢献する。
さらにVSP on cloudと各種データ連携ソリューションにより、オンプレミスの機密性が高いデータを安全かつ容易にAWS上に移動、複製できるため、AWSのコンピュートリソースや多様なクラウドサービスと連携したデータの利用/活用の幅が広がる。
例えば、システムの優先度に合わせて段階的にコンテナー化を進める際に、「Red Hat OpenShift Container Platform」と連携することで、マイクロサービスがアクセスするデータの所在を意識する必要がなくなり、機密性が高いデータを活用したアプリケーションの開発スピードを向上させる。
加えて、日立がこれまで提供してきたデータ保全性の高いリモートコピー機能を、ハイブリッドクラウド環境で自在に利用できるようになる。これにより、オンプレミスとクラウドにまたがった災害対策環境を容易かつ柔軟に構築することが可能になり、コピーデータを利用し、AWSのさまざまなクラウドサービスと連携したデータ利活用基盤や開発基盤の構築も可能となる。
日立は今後、書き込みデータの多重化による耐障害性の向上や、クラウド障害にも備えたマルチアベイラビリティーゾーン構成にも対応するなど、システム全体の持続性を高めるサービスを強化していく。