「ChatGPT」をはじめとする生成型の人工知能(AI)ツールは日々新たな能力を獲得している一方で、人々はこうしたツールの利用に関する透明性を求めている。またこうした透明性は、世界中のユーザー向けにツールをできる限りインクルーシブなものにする上でも重要だ。
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さらに、ChatGPTの開発元であるOpenAIの最高経営責任者(CEO)Sam Altman氏によると、こういった新興テクノロジーは人間が統制しつつ、さまざまな人々の意見を参考にしながら開発されるべきだという。同氏はシンガポールで開催されたダイアログセッションの中で、この観点がAIの導入によって引き起こされる可能性のある潜在的なリスクや悪影響を緩和する上で欠かせないと述べた。なお同氏のシンガポール訪問は、韓国やインドネシア、日本、オーストラリアを含む世界の市場を1カ月かけて巡るという講演旅行の一環として実施されたものだ。
シンガポールの研究機関であるAI Singaporeと、同国の情報通信メディア開発庁(Infocomm Media Development Authority:IMDA)がシンガポールマネージメント大学で開催したこのダイアログセッションには、学生や開発者、業界の企業が参加した。
Altman氏は、AIの進化における過程で生み出されるリスクを管理する方法について詳しく述べた際、新たな展開のあった時点で一般の人々がそれについて学び、経験できるようにしておくことが重要だと述べた。これによって潜在的な悪影響が広がる前に確実に発見、解決できるようになるという。
この方法は、密室でテクノロジーの開発やテストを行った後、発生し得る全てのリスクが洗い出され、解消されたという仮定を置いて一般公開に踏み切るよりも効果的だ。
同氏は「全てを研究室で押さえることなどできない」と述べた。どれだけテストを重ねて、製品がもたらし得る悪影響を最小化しようとしても、作り手が考えもしなかった方法で悪用する人間が出てくる。この点について同氏は、あらゆる新規テクノロジーにも言えることだと述べた。
同氏は「唯一の解決策が反復的なデプロイだとわれわれは確信している」と述べ、徐々にリリースしていけば、AIの進化とともに社会が適応でき、AIの価値をどのように高めるべきかというフィードバックを取り込めると付け加えた。
Altman氏は、ChatGPTが急速に人気を博したことで、AIのリスクに関する議論がどれだけ世界中でなされたのかという点を指摘した上で、そうした議論の重要性を述べるとともに、同社の生成型AIプラットフォームがデプロイされていなければこうした議論はなされなかったはずだと述べた。
また、AIの人気が高まり、世界中から注目されるようになるとともに、バイアスやデータのローカライゼーションに関する課題への対処も避けて通れなくなるだろう。