海外コメンタリー

OSはタスクに応じて使い分けるべき--そのワケは?

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2023-09-15 06:30

 20年以上前の話になるが、筆者がある企業の編集長を務めていた時、その企業のウェブサイト向けに「Linux」関連のコンテンツを作成するよう命じられたことがある。その作業の過程で筆者は、Microsoftの「Windows」と数々の同社製ソフトウェアを使用するよう会社から求められた。

デニムのポケットに入れられた複数の工具
タスクに合ったツールを選ぶことは、デジタルライフを快適にする上での素晴らしいアプローチだ。
提供:igorbondarenko/Getty Images

 筆者はこの求めを断った。

 なぜ。と思うだろうか。プライドのせいと言ってもよいし、頑固さ故と言ってもよいだろう。あるいは単に、筆者のお気に入りのOS(Linux)の方がMicrosoftの製品よりもはるかに優れているだけでなく、作業がずっと楽になり、ウイルスや、忌まわしい「死のブルースクリーン」(Blue Screen of Death:BSOD)を心配する必要もないと思っていたためかもしれない。

 会社側はこの件について筆者を説得しようとしたが、最終的に戒告処分を下した。その後まもなくして編集長の肩書は剝奪されたが、それは筆者にとって望ましいことでもあった。

 また、この件は貴重な教訓を残してくれた。

 筆者は会社からの求めに応じて、Windowsを使うべきだったのだろうか。答えはノーだ。筆者が得た教訓は、作業に適したツールを選ぶのが常に最も優れた道だというものだった。

 筆者はそれ以来、使おうとするツールが作業に最適かどうかを必ず評価するようにしている。

 この教訓が生きる機会はおよそ5年前に訪れた。

 筆者はある出版社から、シリーズで書籍を執筆しないかと声をかけられた。その時以来、この出版社にお世話になっており、執筆内容を自らで決定する権限も与えられている。しかし、筆者の担当になった編集者との共同作業で「LibreOffice」を使おうとした際に大きな問題が持ち上がった。その時の原稿は6万ページを超え、コメントや変更履歴も膨大な量に膨れ上がっていたため、LibreOfficeの動作がおかしくなってしまったのだ。文書を開くとアプリの動作が緩慢になり、OSの調子までおかしくなりそうになっていた。

 何らかの手を打つ必要があった。

 編集者に「Google Docs」を使ってもらおうとしたが、何年も前から「Microsoft Word」を使用しているという理由で断られた。

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