味の素のグループ会社であるタイ味の素社は、統合基幹業務システム(ERP)「SAP S/4HANA」、ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「SAP Analytics Cloud」、データ統合基盤「SAP Datasphere」を導入し、2023年4月に稼働させた。提供元のSAPジャパンが発表した。
味の素グループは、創業以来一貫して事業を通じた社会課題の解決に取り組んでおり、社会・地域と共有する価値を創造することで経済価値を向上させ、成長につなげる「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)経営」を推進しているという。2023年2月には、新パーパス「アミノサイエンスで、人・社会・地球のWell-beingに貢献します」を設定し、全社のマネジメント変革にも取り組んでいる。
タイ味の素社はASEAN地域における最重要拠点として活動しており、全社のマネジメント変革の一環として、データドリブン経営の実現、基幹システムの保守期限対応などを背景に、S/4HANAへの移行、Analytics CloudとDatasphereの導入を行った。システムの導入と開発は、SAPジャパン支援のもとアビームコンサルティングが担当した。
タイ味の素社はS/4HANAなどに格納されているデータに対し、Analytics CloudとDatasphereを連携して活用することで、複数軸で業績管理と分析を行うとともに、予算/見込データと連携させて予測シミュレーション機能に活用することが可能となった。S/4HANAへの移行に伴い、クラウド化とアドオン削減も行ったことで、維持運用コストも大幅に削減したという。
今後、タイ味の素社は予測や機械学習(ML)を含めたSAPのソリューションを最大限に活用して経営管理の高度化を図るほか、自社で利用しているソリューションを他のASEAN拠点へ展開することも見据えている。