筆者は「GNOME」デスクトップの古くからのファンだと自認している。このデスクトップの最初のベータ版がリリースされた時に試してみて以来、断続的に使用を続けている。そういった点で筆者は、ほぼ全てのバージョンがリリースされた時のことを記憶しており、またそれらを使ってきてもいる。

「Voyager」のデスクトップは「GNOME」と「macOS」のデスクトップを練り合わせたような感じに仕上がっている。
提供:Jack Wallen/米ZDNET
「Linux」にあまりなじみがない人にとって、デスクトップを変更できるというのはオープンソースのデスクトップOSが持つ大きな魅力だと言える。気に入らなければ、変更すればよいのだ。
このため、GNOMEデスクトップを自分好みのものにするために、ちょっとした工夫をこらしたり、微調整を加える開発者も数多くいる。もちろん、デスクトップに対する変更にはある種の制約がある。それでも、デスクトップを自分好みのユニークなものにしようとする取り組みが数多くなされている。
そこで「Voyager」の出番がやって来る。VoyagerのデスクトップはGNOMEと、「macOS」のデスクトップを練り合わせたような感じに仕上がっており、「Budgie」あるいは「Pantheon」を用いることで、開発者は楽しく容易にLinuxを利用できるデスクトップを作り上げられる。
実際のところ、GNOMEを自らの好みに合わせてカスタマイズするという作業は、ほぼ誰にでもできる。GNOMEの拡張機能をいくつか加えることで、自分だけのVoyager風のLinuxを作成できる。とは言うものの、GNOMEのカスタマイズに時間をかけるよりも、ダウンロードしたデスクトップをそのまま使う方がいいという人もいるだろう。そういう人にはVoyagerをお勧めしたい。
Voyagerのウェブサイトには、Voygerは「インターネットの利用や、職場での作業、マルチメディアやゲームという用途に向いている高速かつ円滑、ユーザーフレンドリー」なディストリビューションだと記されている。
興味を引かれた人のために記しておくと、Voyagerは以下の拡張機能やカスタマイズによってこの素晴らしいデスクトップエクスペリエンスを実現している。
- 「Add to Desktop」(デスクトップにアプリケーションアイコンを追加する)
- 「ArcMenu」(GNOMEシェル上にアプリケーションメニューを追加する)
- 「Blur my Shell」(GNOMEシェルの一部にぼかしを追加する)
- 「Burn My Windows」(ウィンドウを表示するときと閉じるときに炎の効果を追加する)
- 「Caffeine」(スクリーンセーバーや自動スリープを抑止する)
- 「Clipboard History」(履歴付きクリップボードを利用可能にする)
- 「Compiz alike magic lamp effect」(ウィンドウの最小化/復元時にCompiz風のジニー[魔法のランプ]エフェクトを追加する)
- 「Compiz windows effect」(ウィンドウ移動時にウィンドウをゆらゆらさせるCompiz風のエフェクト)
- 「Dash to Dock」(デスクトップ上にアプリのランチャーを追加する)
- 「Desktop Cube」(デスクトップを3D立方体に貼り付けて切り替えられるようにする)
- 「Frippery Move Clock」(ステータスメニューボタンの左に時計を表示する)
- 「Internet Speed Meter」(インターネット接続速度を表示する)
- 「SettingsCenter」(多用するアプリケーションを迅速に起動するためのドロップダウンメニューを追加する)
- 「Show Desktop Button」(開いている全てのウィンドウを最小化するボタンを追加する)
- 「SomaFM internet radio」(インターネットラジオSomaFMを聴く)
- 「User Themes」(ユーザーテーマを追加する)
上記の拡張機能の中には、インターネットラジオの「SomaFM」や、「Compiz」のオプションなど、デフォルトでは有効化されていないものも含まれている。しかし「Extensions」アプリを開けば簡単に有効化できる。
また、開発者によって追加されたものの、使用しているGNOMEのバージョンと互換性のない拡張機能も含まれている。これらは有効化されておらず、また有効化することもできない。