筆者が人工知能(AI)の新たなブームについての記事を書き始めてから、AI業界で働けるようになるためにはどうしたらいいかを尋ねる質問が届くようになった。以下で紹介するRickからのメッセージは、その典型的な例だ。
提供:J Studios/Getty Images
IBMやOpenAI、DeepLearningが提供している、AIについて学べる無料コースについて紹介するあなたの記事を読みました。できればアドバイスをいただけないでしょうか。
私は今、ライフサイエンス業界から大手IT企業に転職しようとしているところです。今後もAIやその応用例について学び、AIに関する知識やユースケースを生かせる製品マネージャーになることを目指しています。
私は製品マネージャーとしては経験が豊富ですが、機械学習についてはほとんど経験がありません。市場価値を身に付けるためには、AIや機械学習の何を学ぶところから始めるべきでしょうか?今のところ、記事で紹介されていたIBMの無料コースを受講するところから始めるつもりです。私は、エンジニアリングチームや開発チームと一緒に、これらの技術を生かした製品を作りたいと考えています。
Rickのメッセージの特徴は、彼が製品マネージャーとしては経験を積んでいるが、専門分野が通常のITの分野ではなくライフサイエンスだというところだ。彼の持っているスキルは他の分野にも応用できるため、この経験は重要だと言えるだろう。
一方で、これまでの経験や持っているスキルについてはまったく書かれていない、プロンプトエンジニアが大金を手にしていると聞いて、自分も時流に乗りたいという読者からの質問メッセージも寄せられている。ここでこの話をするのは、アプリの開発者が何百万ドルも稼いでいたり、プロンプトエンジニアが6桁ドルの年収を得たりしているという記事を読んで、経験が非常に浅いにもかかわらず、コースを1つ受講するだけで、あるいはそうなりたいと強く思うだけで、その仕事に就けると考えている人が多いからだ。
筆者は以前、初級レベルのプログラミングを教えていたことがある。本当にプログラミングに興味を持っていたのは受け持っていた学生のうち半分くらいで、残りの半分は、給料がいいからという理由でプログラミングの仕事を希望していた。だが残念なことに、後者の学生たちには、あまり技術を身に付けたいという意欲がなかった。この学生たちは、プログラミングの授業を受けさえすれば仕事に就けると思っていたのだ。そして、実際に就職できたかもしれない。しかし、しっかりしたスキルがない人は、その仕事を数週間以上続けることはできなかっただろう。
筆者が言いたいのは、その仕事に対する熱意があり、仕事に付加価値を付けられるような能力を持っていなければならないということだ。Rickには意欲はありそうだし、AIの仕事に生かせる独自のスキルも持っている。以下では、Rickをはじめとして、AI関連の仕事への転職に関心を持っているあらゆる人にお勧めしたい5つのステップを紹介する。