Appleの「WebKit」チームは2014年に「Speedometer」をリリースし、2018年にはGoogleの「Chromium」チームと協力して「Speedometer 2.0」をリリースした。この協力関係の目標は、ウェブブラウザーの性能について共通の理解を生み出し、ブラウザーエンジンの開発元がユーザーエクスペリエンスを強化できるような改善を施していけるようにするというものだった。
そして米国時間3月11日、「Speedometer 3.0」がリリースされた。このバージョンでは「Edge」の開発元であるMicrosoftと、「Firefox」の開発元であるMozillaが新たにコラボレーションに加わり、ブラウジングエクスペリエンスの理解や向上に重要であると考えられるテストやワークロードが選び出された。
提供:Speedometer
ウェブ全体をシミュレートするには単一のテストだけでは不十分だ。だからこそ、今回の最新リリースが重要となってくる。Speedometer 3.0のウェブサイトによると、このツールがテストするのは、To-Doリスト関連の作業(基本的なリストに対する項目の追加と完了、削除を100項目にわたって実施する時間の測定)と、リッチテキストの編集(WYSIWYG形式のエディターおよびコードエディター内でのテキストのロード/スタイル設定)、図表の描画(SVG形式の図表とキャンバス上に描画する図表のロード/操作)、新規ウェブサイトの読み込み(ウェブページ間のナビゲーションと、典型的な外観を有するニュースウェブサイト上での操作)だ。
同ウェブサイトの概要ページでは、テスト手法に関する注釈として「ウェブ上に存在し得るシナリオを網羅することが、これらのワークロード全ての目標だ。全てのワークロードは一般的に用いられているパターンを使うよう努めているが、実装上の一部の詳細はSpeedometer固有のものとなっているため、スタンドアロンアプリの実装/配備方法に関するガイドラインとして使用するべきではない。例えば、ワークロードを正しく機能させる上でサーバーインフラに依存してはならないというテストハーネスの持つ制約により、ワークロードは事前に静的ファイルとして構築されている」と記されている。
これらの企業は1年以上かけてSpeedometer 3.0の作業に取り組んできた。Firefoxの開発者であるBrian Grinstead氏は今回のリリースについて、「実世界におけるウェブの状況をできる限り忠実に反映するという共通の目標の下、ブラウザーのパフォーマンス測定方法を再考するために業界のエキスパートをまとめ上げるという2022年12月に打ち出されたビジョンを実現するもの」だと記している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。