Wasabi Technologies、AI活用のメディアストレージ「Wasabi AiR」発表

河部恭紀 (編集部)

2024-04-10 16:33

 Wasabi Technologiesは米国時間4月9日、AIを活用したインテリジェントメディアストレージ「Wasabi AiR」を発表した。

 Wasabi AiRは、Wasabiの高パフォーマンス・低コストのオブジェクトストレージにAIメタデータ自動タグ付け機能と検索可能な多言語音声文字変換機能を組み合わせたもの。Wasabiが2024年1月に買収を発表したAIプラットフォーム「Curio AI」は、大規模な映像・動画アーカイブの分析とインデックス付けを可能にする。動画ファイルがWasabi AiRにアップロードされると即座に分析され、AIが情報豊富な秒単位のメタデータインデックスを生成する。

 Wasabi AiRは、顔認識、検索可能な音声文字変換、多言語翻訳、話者認識、光学的文字認識、ロゴ識別、音声認識を比類のない正確さで活用する。ビデオテープに保存されている映像・動画アーカイブをWasabi AiRストレージにアップロードすることで、これまで「死蔵」されていたコンテンツに新たな収益とユーザーエンゲージメントを生み出す可能性をもたらすと同社は述べる。

 Wasabi AiRの利用に必要なのはストレージ料金のみで、AIの使用に追加料金がかからないため、Wasabi AiRの活用でメタデータ作成のコストを大幅に低減できるという。競合のサービスを利用するよりも、場合によっては80%も低い価格で、コンテンツを自由に扱うことができると同社は強調する。

 ソースファイルとメタデータは、ユーザーが所有する。他のユーザーが使用する可能性があるモデルの訓練にユーザーの専有データを使用することはないという。ファイルやメタデータは、Wasabiのイミュータブル(不変的)なストレージと独自のマルチユーザー認証によって、ランサムウェア、災害、誤削除から安全に保護されると同社は説明する。

 Wasabi AiRで想定されるユースケースであるポストプロダクションでは、報道パッケージ、ハイライトリール、SNSコンテンツなどに使用する映像・動画を素早く、リアルタイムで見つけ、まとめることができるようにする。スポンサー投資対効果(ROI)とマーケティングROIでは、ROI分析で、スポンサーの効果を判断するためにロゴを簡単に見つけることを可能にする。さらに、地理的多様性では、地域によって異なる視聴者の要件に合わせてコンテンツの調整ができるようになる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  3. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  4. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  5. セキュリティ

    クラウドネイティブ開発の要”API”--調査に見る「懸念されるリスク」と「セキュリティ対応策」

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]