2025年はITプロジェクトが活況を呈するだろう。しかし、その影響は立場によって異なるようだ。企業はビジネスの課題に対応したり、新たな取り組みに資金を提供したりするために、技術投資を増やす計画である。一方で企業はまた、戦略的な技術コスト削減策によって予算を縮小し、支出のバランスを取ることになるだろう。
SpiceworksとAberdeen Strategy and Researchは、2024年7月と8月にIT専門家803人を対象とした調査を実施した。SpiceworksとAberdeenは、米ZDNETの発行元であるZiff Davisの傘下にある。
その調査結果をまとめた「The State of IT Jobs in 2025」は、全体的な見通しが良好であることを示唆している。少なくとも43%の企業幹部がIT人員を増やすつもりだと回答している(2年前は32%だった)。IT人員を削減すると回答したのは、ほんの一握り(6%)だった。
大半の雇用主(57%)は、必要な専門知識を持つ従業員を見つけるのに苦労しており、潜在的な候補者は需要の高いITスキルにあまり自信がないと回答した。IT人材の格差は、サイバーセキュリティ、データ分析、スクリプト/コーディング、コンフリクトレゾリューション(対立解決)で顕著だった。将来を展望すると、人工知能(AI)スキルに対する自信も57%と低かった。
テクノロジー予算全体の伸びは2025年に加速すると予測されている。3分の2近く(64%)の企業が2025年にIT予算を増やす予定で、予算を減らす予定の企業はわずか4%だった。前年と比較して最も増加が見込まれる分野は、生成AIソフトウェア(54%)、セキュリティソリューション(52%)、ノートPC(47%)などである。
テクノロジー予算増加の主な要因はセキュリティへの懸念の高まりで、2025年に予算を増やす予定の組織の53%に影響を与えている。この割合は、2023年の41%、2024年の48%から増加している。多くの場合、こうした予算の増加はビジネスを軌道に乗せることを目的としている。IT支出の増加要因としては、ITプロジェクトの優先度の上昇(47%)、インフラの更新の必要性(45%)、従業員の増加(45%)、インフレ(45%)などが挙げられる。
調査によると、47%の組織が2025年にノートPCへの支出を増やす予定だ。「Windows 10」のサポート終了が2025年10月に迫っており、新型コロナウイルス感染症の流行時にリモートワーク対応のために購入されたノートPCは、現在4年以上が経過している。
興味深いことに、IT自動化は回答者の76%が最も投資対効果の高いテクノロジーとして挙げており、1位に位置付けられている。また、72%の回答者がギガビットWi-Fiは投資に値すると考えています。さらに、68%がAIとエッジコンピューティングに価値があると答え、ブロックチェーンについても64%が高く評価している。
AIは重要なスキル分野として大きな存在感を示している。「過去2年間で、人工知能はおそらくテクノロジー分野で最もホットなバズワードとなっている」と、Spiceworksのテクノロジーインサイト部門で責任者を務めるPeter Tsai氏は述べる。
「AIは、OSやセキュリティソリューション、通信技術、ビジネスアプリケーションなど、さまざまな分野に浸透している。レポートによると、企業の54%が2025年に『ChatGPT』のような生成AI技術への投資を増やす予定であることが明らかになっている」