調査会社Gartnerは米国時間1月18日、世界のIT支出が2023年に前年から2.4%増加して4兆4900億ドル(約580兆円)に達するとの予測を発表した。2022年には前年から0.2%減少していた。
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分野別に見ると、ソフトウェア分野とITサービス分野は見通しが明るく、2023年にそれぞれ9.3%と5.5%の成長が見込まれている。データセンターシステム分野は0.7%増、通信サービス分野は0.1%増の見込み。一方デバイス分野は、コロナ禍で買い換えが進んだ反動で使用期間が延びている影響で、5.1%減と予想されている。
Gartnerは、インフレで消費者の購買力が今後も低下し、デバイスへの支出が減る一方で、企業のIT支出は依然として堅調だと予想している。Gartnerのディスティングイッシュト・バイスプレジデント・アナリストであるDavid Lovelock氏は、「インフレで消費者市場は壊滅的な状態に陥り、B2C企業におけるレイオフを招いている」とする一方、「企業はデジタル事業への支出を増やし続けている」と説明した。
「経済の激動により、ビジネス上の決定に至る道筋が変化しており、その影響で、最高情報責任者(CIO)がさらに及び腰になり、決定の遅れや優先順位の見直しにつながる可能性がある。(中略)だが、こうした変化が起こっているのはIT予算の影響ではなく、IT支出には相変わらず景気後退の影響が及んでいない」(同氏)