住友ゴム、タイヤの状態を一元管理できるアプリを提供--車両の稼働停止期間短く

加納恵 (編集部)

2025-03-03 15:15

 住友ゴム工業は3月3日、トラックのタイヤ状態を一元管理できるアプリケーション「ESP3.0(イーエスピーサンテンゼロ)」の提供を開始すると発表した。空気圧と温度データに溝と外観のデータを組み合わせてタイヤの異常をリアルタイムに知らせる。

トラックのタイヤ状態を一元管理できるアプリケーション「ESP3.0(イーエスピーサンテンゼロ)」の提供を開始する
トラックのタイヤ状態を一元管理できるアプリケーション「ESP3.0(イーエスピーサンテンゼロ)」の提供を開始する

 ESP3.0は、住友ゴム工業とモビリティー向けのIoTサービスなどの開発・販売を担うトライポッドワークスが共同で開発したもの。タイヤに異常が生じた際に情報を運行管理者向けの管理画面に表示するほか、タイヤ異常への対応作業の優先順位を可視化し、効率的な保守管理の実現と車両の稼働停止期間の短縮などに結び付ける。また、適正なタイヤ空気圧で運行した場合の燃費削減額と二酸化炭素(CO2)削減量の見える化、タイヤ寿命までの走行距離の見える化などにも寄与する。

 アプリケーションを提供するのは、「ダンロップ」の「タイヤ空気圧・温度管理サービス」の駐車場管理式とテレマティクス式のツールを利用するトラック運行会社などのユーザーが対象になる。

 物流業界ではドライバー不足や輸送力の低下に伴い、業務効率化と安全性向上への対応が急がれている。長距離輸送では複数のドライバーがリレー形式に車両を引き継ぐことが増えており、定量的に点検結果を記録し、次のドライバーへ車両状態を正しく引き継ぐ必要があるとのこと。

 ESP3.0では、タイヤに装着されたタイヤ空気圧監視システム(TPMS)から得られるリアルタイムなタイヤの空気圧・温度データに加え、これまで報告書で提供していたタイヤの溝・外観の点検データをアプリケーションで一元管理できる。タイヤに異常が生じた際は、運行管理者にはアプリケーション、ドライバーにはメールで異常を知らせる。

 アプリケーション上では、すぐに対応が必要なものは赤色、近々メンテナンスが必要なものは黄色で表示されるため、効率的な保守管理で車両の稼働停止期間を短くできるとしている。

 住友ゴム工業では、アプリケーションから得られたデータを基に、タイヤ交換やローテーション、路面に接するトレッド部分に新しいゴムを貼り付けて再利用するリトレッド用台タイヤを提案し、効率的な保守管理をすることで、タイヤに起因した運行トラブルを未然に防ぎたいとしている。

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