神奈川銀行は、ディサークルの業務デジタル化ツール「POWER EGG(パワーエッグ)」を導入し、行内のデジタル化を進めて業務プロセスを改善した。ディサークルが4月22日に発表した。
POWER EGGは、「気づき」と「つながり」をコンセプトとし、汎用申請ワークフロー、ウェブデータベース、グループウェアといった機能を統合した業務デジタル化ツールである。ディサークルの発表によれば、2025年3月末時点で国内1585社(うち金融機関115機関)へ、約62万ライセンスの販売実績を持つ。
同行では従来、融資稟議(りんぎ)を除くほとんどの業務が紙ベースであり、決裁や回覧に長時間を要していた。加えて、各種報告も行内メールや添付ファイルが中心だったため、部門間の連携や集計作業に非効率が生じていた。これらの課題解決に向け、基幹サーバーとグループウェアの更改を機にデジタル化を推進することを決定し、全従業員へのモバイルPC貸与といったインフラ整備と並行して、グループウェアの刷新を検討していた。
複数のツールを比較検討した結果、POWER EGGが採用された。その主な理由は、グループウェア、ウェブデータベース、汎用申請ワークフローという主要機能がシームレスに連携し、報告書作成や稟議プロセスを効率化してペーパーレス化を実現できる点にあった。加えて、他の金融機関での豊富な導入実績、無償で利用可能な金融業務テンプレートの充実、そして直感的で統一された使いやすいインターフェースによって管理者の負担も軽減できる点も評価された。
POWER EGG導入の効果は顕著である。具体的には、従来紙で行っていた検印、回覧、複写、採番といった作業が不要になり、それに伴う書類の受け渡しや連絡、確認の手間が大幅に削減された。特に稟議・通達業務では、従来2、3日を要していた承認プロセスが、多くの場合当日中に完了するようになり、大幅に迅速化された。
このほか、業務単位でのフォルダー構造見直しによるファイル管理の効率化や、掲示板整備による情報共有の円滑化も進展した。さらに、現場行員から自発的な業務効率化提案が増えるなど、行員の意識にも変化が見られている。