AIサーバーの製造、販売を手掛けるブロックバリューは4月25日から、俳優の渡辺謙さんを起用した新CMを全国で放送する。放送開始に当たり同社は24日、CM発表会を開催した。
ブロックバリューは、2022年に設立したサーバーメーカー。東京都港区に本社を構えるほか、石川県羽咋郡に「志賀町第一データセンター」を展開する。高性能サーバーを開発し「ジャパン・テクノロジーの底力になる。」というミッションを掲げる。

CMに登場する俳優の渡辺謙さん

東京本社と石川工場
同社代表取締役の大西基文氏は、2022年に約20兆円だったAIの市場規模が、2025年には30兆円、2030年には300兆円近くまで拡大するという世界のAI市場規模の推移と予測を示し、市場がここまで拡大する理由として(1)機械学習(ML)、深層学習(DL)などの研究が急速に進んでいる、(2)スマートフォンやIoT機器、センサーといった端末からビッグデータを瞬時に集められる世界になっている、(3)コンピューター自体の計算能力が向上している――の3つを挙げた。

ブロックバリュー 代表取締役の大西基文氏
「中でも3つ目の計算能力の向上が、ブロックバリューとして携わっている部分。私たちはGPUを搭載し、高い計算能力を提供するサーバーを製造販売している会社。以前はCPUによる逐次処理が主流だったが、GPUは並列処理に特化し、高速な処理が可能になった」(大西氏)と進化の要因を説明する。
大西氏は「Amazon」のレコメンデーション機能を例に挙げ、「スモールデータだった時代は、関係性の薄いレコメンデーションが出てきていたが、今の時代は膨大なデータから最善で最高の確率のものが表示されている。これらは全てコンピューターのパワーがもたらすたまもの」と、計算能力の高さが日常生活を便利に変えていること、そして、それがインフラになっているため今後も伸びてくるものだと分析する。
しかし、データ活用に関して日本は後れを取っており「データよりもあうんの呼吸という文化。これにより、データ活用が進まず、人材も不足している。レガシーシステムでも問題がないと感じる人もいるかもしれないが、ここを少しでも変えていきたい。日本の底力を上げてグローバルで活躍できる形にしたい」(大西氏)と意気込む。

日本メーカーによる日本製サーバーであることを打ち出している
新CMは、「サーバーの森で」「生成される都市」「超高速エレベーター」の3つを用意。登場した渡辺さんも「CGを使い、近未来的なCMに仕上がっていると思う」と感想を述べた。
2024年1月に発生した能登半島地震で被害にあった石川県にも拠点を持つブロックバリューについては「石川県にも工場を作り支援されている。地域を応援し、そこから世界に発信していくというとても意義あることをやられている会社」とコメント。渡辺さん自身も東日本大震災で被害を受けた宮城県気仙沼市にカフェ「K-por」をオープンしているが「(支援は)続けることの意味の方が大きいと思っている。一回の応援ではなく、ずっと背中を押し続けることをこれからも続けたい」とした。