ウェブメソッドは5月31日、ビジネスプロセスインテグレーション(業務プロセス統合)を実現するソフトウェアスイート製品の最新版「webMethods Fabric 7 日本語版」の出荷を開始したことを発表した。
webMethods Fabric 7は、業務プロセス改善やITと業務のシームレスな連携、IT資産のライフサイクル管理など、変化するビジネス環境に柔軟に対応するために必要なテクノロジが搭載されているビジネスプロセス管理(Business Process Management:BPM)スイート製品。業務の自動化や可視化を、システムや部門、企業を越えてリアルタイムに実現できる。
最新版では、堅牢なサービス指向アーキテクチャ(SOA)プラットフォームを基盤にして、統合されたBPM機能やメタデータライブラリ、コーディングレスで開発可能なアプリケーション開発環境、BPMとBAM(Business Activity Monitoring)の統合などの新たな機能を提供している。
統合されたBPM機能の搭載により、迅速かつ容易に新しいビジネスシステムを実現できる仕組みを提供。変化に対するリアルタイムな対応を可能にする。
また、あらゆるIT資産を管理できるメタデータライブラリの搭載により、ビジネス資産やIT資産を有効活用することが可能。システム開発コストを削減できる。この機能は、webMethodsが2006年8月に買収したCerebraのテクノロジをwebMethods Fabric 7に統合したものだ。
さらに同社が2006年9月に買収したInfravioのSOAレジストリ/ガバナンスソリューションである「webMethods Infravio X-Registry」および「webMethods Infravio X-Broker」を搭載。SOA環境におけるガバナンス(統制/管理)を可能にする。この2つの新製品により、IT資産の再利用が容易になり、BPM導入における開発工数や期間の短縮が可能になる。
webMethodsの最高技術責任者(CTO)であるMarc Breissinger氏は、「webMethods Fabric 7では、既存のIT資産の再利用性を向上させることにフォーカスしている。また、プロセスの状況を可視化することで、変化のスピードに対応できるITシステムを実現可能。開発スピードを加速させ、ROI(投資利益率)を向上させることができる」と話言う。
また、日本法人であるウェブメソッドの代表取締役社長、清水久生氏は、「昨年、ユーザー会を発足したが、これによりユーザー同士の情報交換が活発になり、既存ユーザーが新たなユーザーを呼んでくれる環境ができた。こうしたユーザーの期待を裏切らない製品がwebMethods Fabric 7であり、すでに引き合いも多い」と話している。
さらにwebMethodsのアジア太平洋および日本担当シニアバイスプレジデント、Andy Wilkinson氏は、Software AGによるwebMethodsの買収について、「Software AGは27年、webMethodsは11年の経験とノウハウを持っている。両社の統合により、さらに強力な組織を実現できる。両社の統合により10億ユーロ企業が誕生するだろう」と述べた。
「ただし、今日はwebMethods Fabric 7の発表の方が重要だ(笑)」(Wilkinson氏)