製品というよりも.NET開発環境と言ったほうがいいかもしれません。すでに大きなメリットを受けている業界もあります。例えば通信業界では、通信インフラがIPベースのネットワークに移行しており、競争力を維持するために通信サービスプロバイダはデータと音声、映像を組み合わせた新たなサービスを提供する必要があります。この分野でSOAを効果的に適用したのが韓国テレコムです。課金システムやその他のシステムをオープンソースソフトウェアベースのものから.NETに移行し、SOAを使った大規模なシステムの移行を行いました。これにより、新たなIPサービスを効果的に提供することに成功しました。
大きく分けて3点あります。まず1点目としては、製品提供者がテクノロジー企業として技術革新にどのような姿勢で臨んでいるかを吟味することです。新たなシステムの導入は、企業にとって長期的な影響を及ぼします。ベンダーが技術革新に対してどのようなコミットメントを有しているのか、そしてどのような姿勢で研究開発に取り組んでいるのかを確認する必要があります。
2点目は、製品の購入から導入、展開に至るまでのTCO(総所有コスト)でどのようなメリットが得られるかを判断することです。この点においてマイクロソフトは、顧客が低コストで技術を導入することに注力しており、優位に立っていると言えます。
3点目は、スピードと柔軟性だと思います。ユーザー企業が新たなサービスや機能を実現する際に、テクノロジー企業は顧客のビジネスに対応するために素早く機能を提供する必要があります。そうすることによって顧客に対してスピードと柔軟性を提供できるのです。これら3点が差別化の要素となりますが、それ以前の条件として、品質、セキュリティ機能、信頼性や可用性、システムや製品自体の堅牢性、サポートネットワーク体制の確立は言うまでもありません。こうした条件を満たしていることが前提と言えるでしょう。
