「総合セキュリティ」の技術開発力とパートナー戦略に死角なし--トレンドマイクロ - (page 3)

インタビュー:別井貴志(編集部)
文:野田幾子、写真:渡徳博

2005-04-18 11:10

--トレンドマイクロ設立当時から10年ほどは、コンシューマ向け製品が主力でしたよね。その後、ブロードバンドの普及に合わせ、ISPでのウイルスセキュリティ技術の採用を他社と競ってきました。そして現在、「どれだけ多くのパートナーと組めるか」という競争が起きているのではと感じるのですが。

 おっしゃるとおりです。15年前はコンシューマ市場に対して90%のシェアを持ち、アンチウイルスソフトウェアのPCへのプリインストールを行っていました。そして時代と共に変革して、PCへのインストールももちろんですが、ブロードバンド市場におけるISPとのタッグを重要視しています。そういう意味で狙っているのは、Yahoo! BBにおける採用です。ISP市場シェアの50%を達成するのが目標です。

 また、こういったアライアンスにおける我が社の強みは、日本にエンジニアが駐在しており、日本独自のソースコードを持っていることです。企業と企業の相互間でシステムインテグレーションできる強みを生かし、BtoBとBtoCを合わせた市場で、シェアを80%は狙いたい。

--ウイルスやスパム、フィッシング、スパイウェア、不正アクセス──こういった点は競合他社すべてが対応しています。トレンドマイクロの強みはどこなのでしょう。企業のIT担当者が自社内でのセキュリティ対策を考える際、どの視点で製品を選んでほしいのか。そのポイントを教えてください。

 まず大企業では、弊社がゲートウェイ製品で世界ナンバーワンであることを見てもらい、ネットワークウイルスマネジメントを念頭に選んでもらいたい。先ほども申し上げた通り、通常の業務を停止せずともウイルスに犯されたPCを隔離できるので、企業活動を止めることはありません。また、大企業ともなればいろいろなレベルの従業員が働いている環境のため、セキュリティに対する意識はまちまちで、ウイルスやスパムがヒットする確率も高いでしょう。そういった意味も含めて、ネットワーク管理者が一元管理できるゲートウェイ対策に重点を置くことがポイントになります。

 また、中小企業ではITセキュリティに特化したマネージャは少ないでしょうから、パートナーと共にトレンドマイクロソリューションを提供できるのが強みです。定義ファイルやセキュリティ情報などはパートナーを通じて自動で更新・レポートするなど、何もかもオートマチックにできます。「使いやすく」「自動的で」「セキュリティのプロがいなくとも日々の業務をこなせる」という点が重要なのです。

 さらに、SOHOや個人ユーザー、ホームユーザーには、やはり強いブランドネームを持つ「ウイルスバスター」をアピールします。他社製品と比べて非常に動作が軽くて速いと評価されています。日本にいる開発部隊が、日本人の顧客からの細かい注文を反映し、具現化した結果だといえるでしょう。また、複数台のパソコンを管理できる唯一のソフトであることも大きなポイントです。そして、数々のアワードを受賞する弊社のサポートチームが、コールセンターを始め、トレドラボ・ジャパンという弊社の研究所にいます。これらが、強いアピールポイントであると考えています。

スティーブ・チャン 氏
トレンドマイクロ株式会社 代表取締役会長
1954年11月5日台湾生まれ。1978年5月にリーハイ大学(米国)にて修士号を取得し、1981年9月にヒューレット・パッカード(台湾)に入社。1988年12月にTrend Micro Inc.(米国)社長に就任した。その後、1995年12月にトレンドマイクロ株式会社の代表取締役、1997年3月に同代表取締役社長兼CEOに就任した。2005年1月には代表取締役CEOにエバ・チェン氏を据えて、自らは取締役会長を務めている。

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