現在、IT部門の管理者にとって、ビジネスの視点からITシステムの運用を行うことが、大きな課題になっている。そして、多くの組織では、ビジネス上のゴールに合致したITインフラの構築に役立ちそうな新しいアプローチを1つ以上は検討している。こうしたアプローチのなかには、BSM(ビジネスサービス・マネジメント)、ITSM(ITサービス・マネジメント)、BTO(ビジネス・テクノロジー・オプティマイゼイション)、ITIL (ITインフラストラクチャ・ライブラリ)などがある。
一方、ベンダー側からもいろいろな次世代型の管理ツールが出てきている。Computer Associates(CA)、MC/Remedy、Managed Objects、それにHPやIBMなどが、日常的なシステム管理で蓄積したさまざまなデータを分析して、ビジネス計画に活かすというビジネス・サービス・マネジメントという考えに一斉に飛びついている。これらのなかには他よりも先を行っているものもある。たとえばManaged Objectsは、今週同社のビジネスサービス・コンフィギュレーション・マネジメント(BSCM)ソリューションを発表した。このBSCMは、ITサービスのトポロジー情報を--エージェント抜きの新たなBTI(ビジネステクノロジー・インサイト)ツール経由で--どんなコンフィギュレーションや資産データの情報ソースとも統合できるようにする。
大手ベンダーについては、BMCが最新のビジネス再編計画の一環として、成長中のサービスマネジメントビジネスにリソースを移す予定だ。またCAもConcord Communicationsを買収したばかりだ。CAはConcordの技術が「Unicenter」ITサービスマネジメント・プラットフォームで不足している部分を埋めてくれることを期待している。
Gartnerは2003年に出したあるレポートのなかで、「大企業のなかで、BSMを導入できるレベルまでITの運営プロセスを成熟させている会社は、全体のわずか10%にすぎない」と述べていた。ところが現在では、Managed ObjectsのBSCMのような最新のソリューションは導入も簡単で実装にかかる時間も大幅に短くなっている。