SAP、マイクロソフト/IBM/シーメンスとの提携を発表

Matt Hines (CNET News.com)

2005-04-27 12:08

 ビジネスソフトウェア大手のSAPは米国時間26日、コペンハーゲンで開催された顧客向けカンファレンスにおいて、複数企業との提携拡大や新製品計画に関する詳細を発表した。

 これらの発表の中で最も注目を集めたのは、SAPがMicrosoftと共同で、SAPのビジネス管理システムとMicrosoftの「Office」スイートをより緊密に連携させるためのソフトウェアを開発し、マーケティングを行うことになったという発表だろう。既報の通り、この取り組み(開発コード名「Mendocino」)は両社にとって、ともに新製品を開発する初めての機会となる。

 Mendocinoは、これまで両社のさまざまな製品を同時に利用する際に、交互に参照しなければならなかった技術者らの時間とエネルギーを省くために、SAPアプリケーションとOfficeデスクトッププログラムを連携させるものだという。例えば、SAPアプリケーションを使用しているユーザーは、「Microsoft Excel」で作成したスプレッドシートを読み込んで、その情報をMicrosoftの電子フォームシステム「InfoPath」を用いて送信することが可能になると、SAPは述べている。

 今回の提携の下、両社は2006年から、互いの一部製品のマーケティングを開始する予定だ。SAPによれば、Mendocinoは第4四半期中には発表する計画だという。

 SAPはまた、IBMと提携して同社の「DB2 Universal Database」の共同開発バージョンを発売する計画についても詳述した。SAPとIBMはこの提携を通して、両社がともに激しい戦いを繰り広げているデータベース大手Oracleに対し、挑戦状を突きつけようとしている。SAPは今週に入り、Oracleによって2005年初頭に買収された旧PeopleSoftの顧客を囲い込むための取り組みを強化していた(SAPは、アムステルダム/シンガポール/イギリスにオフィスを新設し、旧PeopleSoftおよび旧J.D. Edwardsの顧客にメンテナンスやサポートサービスを割引料金で提供すると発表した)。

 SAPとIBMによると、DB2ソフトウェアの共同開発版には、IBMのデータベース上でSAPのビジネスアプリケーションを稼働させている企業顧客が、導入やメンテナンスといった作業を容易に行えるようにするための機能が複数搭載されるという。同バージョンは、両社が世界中に抱える合計4400社もの共通の顧客に向けて、米国時間29日から提供開始される。

 さらにSAPは、Siemensと共同で医療業界向けの新たな技術開発に取り組むと発表した。開発が予定されているソフトウェアおよびサービスパッケージは、医療業界の企業らが共同で業務プランニングを行うのを支援するもので、財務分析ツールや人的資源アプリケーションなども提供するという。

 そのほかにも、SAPはデンマークの国営システム開発会社KMDと協力し、社会福祉マーケットをターゲットとするアプリケーションの開発を進めていると述べた。この取り組みは主にデンマークで進められる。SAPは、デンマークを世界で最も先進的な電子政府システムを保有する国として位置付けている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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