携帯電話ウイルス「Commwarrior」、感染被害拡大中

Ben Charny (CNET News.com)

2005-05-18 16:54

 携帯電話を標的とする「Commwarrior」ウイルスが先頃、イタリアでも確認された。Symbian OSの天敵である同ウイルスは、発見から数カ月の間に感染被害を拡大させていたようだ。

 前々から恐れられていた通り、このウイルスは感染を広げている。セキュリティ企業のF-Secureによると、ここ3週間のうちに3カ国でCommwarriorの感染が報告されているという。同ウイルスの発生は、インドとオマーンでも報告されている。

 Commwarriorは2005年1月にアイルランドで最初に確認された。同ウイルスは、マルチメディアメッセージサービス(MMS)経由によるメッセージ送信で感染拡大を試みる。同ウイルスは感染した携帯電話のコンタクトリストに登録されたアドレス宛てに、自身の複製をランダムに送りつける。Commwarriorは感染を拡大するのにBluetooth接続も利用する。同ウイルスの影響を受けるのはSymbian OSを搭載した「スマートフォン」のみ。

 Commwarriorに感染した携帯電話は現在のところ、50台以下であるとされている。しかし、これがMMS経由で広まる初めてのウイルスであることから、セキュリティ専門家らはCommwarriorに対する警戒感を強めている。MMSは、ほとんどの携帯電話や、インターネットに接続されたPCに瞬時にメッセージを送信できる技術。

 携帯電話に感染するウイルスの存在を知らないユーザーが多いことも、Commwarriorの感染が拡大する一因となっている。携帯電話で受信したメールを開き、添付されたマルウェアをダウンロードしなければ、同ウイルスには感染しない。同様に不審な電子メールがPCに届いた場合、多くのユーザーは、添付ファイルを開かないように注意を払うだろう。また、Commwarriorは20種類以上もの異なるメッセージを使い分けて、ユーザーにファイルを開かせようとする。このメッセージのなかには、Symbianからのソフトウェアアップデートに関する正規の連絡に見せかけたものもある。

 F-Secureは、「ユーザーは好奇心が強い。だからCommwarriorをインストールしてしまう人は必ず出てきてしまう。特に、このウイルスはMMS経由でやってくるため、知人から送られたものと思ってしまう人もいるだろう」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウド基盤

    「情シス不足」が生み出す2大リスク--多忙な情シス部門が手放すべき業務とは?

  2. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  3. ビジネスアプリケーション

    ITSM徹底解説!ビジネスに関わる全ての方へ--「ITSMクイックスタートガイド」

  4. セキュリティ

    あなたの会社は大丈夫?--サイバー攻撃対策として必要な情報セキュリティの早分かりガイドブック

  5. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]