Advanced Micro Devices(AMD)の元社長が設立したRaza Microelectronicsという新興企業が、イーサネットの到達範囲を広げる新しい通信用チップを発表した。
同社の「Orion」プロセッサは、簡単に言うと、従来の電話網であるSONETと企業LANのベースとなっているイーサネットとを組み合わせ、高速ネットワークを作り出すもの。同市場向けの機器を使うことで、新たにネットワークを導入する際のコスト削減が可能になり、さらに使用中の機器の寿命を延ばせるようになると、同技術の提唱者らは述べている。
「SONETの良い点は、決してダウンしないところだ」と、Raza MicroelectronicsのJim Johnston(同社インテリジェント・アクセス・ソリューション部門マーケティング担当バイスプレジデント)は述べている。Razaでは、カリフォルニア州クパチーノ、インドのバンガロール、中国の北京など、さまざまな場所に拠点を構えている。
同プロセッサはまた、DSL回線経由で音声、ビデオ、データを家庭に送信する目的にも利用できる。「通信キャリアがやりたいのは、IPTVを家庭へ持ち込むことだ」と同氏は付け加えた。
あるネットワーク機器メーカーでは、すでに同プロセッサが動作する製品を販売しており、そのほか3社ほどのメーカーが同プロセッサの採用を検討しているTaiwan Semiconductor Manufacturing Co.は、Razaに代わって同プロセッサの製造を行う予定だ。
数多くの企業が、伝統的なLANネットワークの到達範囲を広げる方法を模索しているが、これは結局のところ、あらゆる場所に新しい機器を設置したいとは誰も思っていないからだ。たとえば、インドのTejas Networksでは、SONET-over-Ethernet機器を販売しており、他の半導体企業でも、同様のプロジェクトに取り組んでいる。
「インドでは、イーサネットのリース回線を利用することが可能だが、米国ではそんなことはできない」と、Tejas CEOのSanjay Nayakは述べている。
Raza Microelectronicsは、AMDで最高業務責任者や社長を務めたAtiq Razaが1990年代末に設立した企業。同氏は1999年にAMDを離れてから、ベンチャー企業/インデキュベータのRaza Foundriesを設立した。同社は現在、積極的な投資活動は行っていないものの、同社が早い時期に投資を行った一部の企業が、開発した技術をRaza Microelectronicsに提供している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ