「COBOLよ、永遠なれ」とはいかない理由

Phil Windley

2005-05-26 22:24

 (OS/390を使うエンタープライズITエンジニア向けの情報サイト)Search390に、メインフレームとCOBOLに関するMicro Focus社の調査結果が出ていた。この調査によると、メインフレームコンピュータ上で使われている言語はいまだにCOBOLが圧倒的で、同言語を使うプログラマーの年齢の中間値は45歳から59歳だという。そこで出てくるのが、次の世代のCOBOLプログラマーをどこから連れてくるのかという問題だ。

 新しいCOBOLアプリケーションがどれだけ書かれているかというのは重要な事柄だが、上記の調査結果には含まれていなかった。世の中には、COBOLで書かれたソースコードが1800億〜2000億行存在すると言われている。だが正直なところ、20年以上も前のコードを保守する仕事をしたいとは誰も思わないだろう。

 私は以前ユタ州のCIOを務めていたが、同州ではメインフレーム上で古いCOBOLアプリケーションを走らせていた。そのうちのいくつかは、多くの州政府機関にとって、最もミッションクリティカルで重要なアプリケーションだった。一方で、機会が訪れれば積極的にこれらを新しいアプリケーションに取り替える努力もした。単にCOBOLで書かれていたからという理由でそうしたのではなく、古すぎて、われわれが必要とする機能的な要件を満たしていなかったからだ。何かの機能を追加するために、COBOLを使って大規模なリファクタリングをすべきだとは誰も考えなかった。

 Search390の記事で指摘されているポイントの1つは、コンピュータ科学専攻の学生にCOBOLを学ばせるべきだというものだ。私だったら、自分の子供にはもちろん、私が教えている学生たちにも勧めない。私は、彼らがオフショア化の波に影響されない知識とスキルを身に付け、そういう仕事を見つけられるように指導している。私から見れば、COBOLを保守する仕事はその中には入らない。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]