NEC(金杉明信社長)が7月28日発表した05年度(06年3月期)第1四半期(05年4−6月期)決算は、売上高1兆9億円(前年同期比5.2%減)と減収、営業損益が210億円の赤字(前年同期は165億円の黒字)、税引前損益が289億円の赤字(同403億円の黒字)、最終損益が109億円の赤字(同209億円の黒字)に転落した。
業績が悪化したのは、エレクトロンデバイス事業で半導体が低迷していることが大きい。同事業は、売上高が1815億円(前年同期比25.6%減)、営業損益が98億円の赤字(前年同期は156億円の黒字)だった。ほかの事業も減収減益。ITソリューション事業で売上高4210億円(前年同期比1.5%減)、営業利益が127億円減の10億円、ネットワークソリューション事業で3794億円(同5.3%減)の売上高に対して営業利益が78億円減の30億円。ITソリューション事業でハードウェアの低価格化など厳しい市場環境が続いていること、ネットワークソリューション事業でモバイルターミナルの出荷減などが響いた。しかし、「悪化の原因は想定内」(的井保夫・取締役執行役員常務)と述べており、「今年度通期での営業利益1500億円を確実に達成する」(同)としている。
今年度通期の業績見通しは、売上高5兆円(前年度比3%増)、営業利益の1500億円(同88%増)、税引前利益1300億円(同43%増)。最終利益600億円(同21%増)の見込みとする期初予想を修正していない。