沖電気工業(篠塚勝正社長)は、無線LAN上でVoIP通信を行うVoice over Wi reles LAN(VoWLAN)対応の分散型無線アクセスポイント「MWINS(エムウイン ズ)BR2100シリーズ」2機種を発売する。出荷開始は11月21日の予定。年間500 0台の販売を目指す。
パケット処理等用のコプロセッサを内蔵するネットワーク機器向けのプロセ ッサ「インテル IXP425ネットワーク・プロセッサ」を搭載することで、従来、 無線LANコントローラ/無線LANスイッチとAPの両者の働きで実現していた機能 を、近隣のAP同士が情報交換することによってAPのみで実現する、国内初の分 散型AP。高価な無線LANコントローラや無線LANスイッチを導入することなく、 既存のネットワーク機器の継続利用が可能なため、小規模事業所やサテライト オフィス(支店)でも、安価で簡単にVoWLANシステムを構築できる。
また、VoWLANで音声品質を保つための機能として、音声パケットを優先する IEEE802.11e(EDCA方式)準拠の「QoS制御機能」、端末集中で発生する無線区 間での許容通信量オーバーによる音質劣化を防ぐ「接続制限機能」、移動中通 話での音声の途切れを抑制する「高速ハンドオーバ機能」などを搭載。盗聴・ 改ざん・なりすましを防止するセキュリティ機能には、IEEE802.11i準拠の認 証と暗号化を搭載している。
このほかの特徴は、(1)分散型アクセスポイント方式によりコントローラが 不要、(2)コントローラレスで無線LANネットワークの構築が簡単、(3)保守コ ンソールソフトで設定・管理(一括設定・管理・障害解析)が容易、(4)IEEE8 02.11aは国際標準の新5GHz帯(W52/W53)に対応──など。
価格は、比較的データ通信のトラフィック量が少ないユーザー向けで、IEEE 802.11aまたは11b/gを切り替えて使用する「MWINS BR2101」が15万8000円。 データ通信のトラフィック量が多く、VoIP通信とPCなどのデータ通信を分離さ せたVoWLANシステムを構築するユーザー向けで、11aと11b/gを同時使用でき る「MWINS BR2102」が19万8000円。