市場調査会社Gartnerは米国時間12日、米国企業が2006年に予定している技術投資は5.5%増加するという調査結果を発表した。
同社によると、技術投資はアプリケーション開発およびインテグレーションの分野で活発になるという。また2006年は、セキュリティやストレージへの投資は停滞するものの、代わりに携帯デバイスが主な投資対象となると予測されている。Gartnerはさらに、開発ツールおよびミドルウェアに投下される資金も増えると見ている。今回発表された結果は、2006年の業務計画について1500名のIT管理者に実施した調査に基づくものだ。
一方Forrester Researchは、IT支出は2006年に7%増加した後しだいに勢いを失うとする、2010年までの予測を発表している。
IT業界における雇用に関しては、企業にIT予算を増やす意志がほとんどなく、IT関連契約予算も削減していることから、引き続き厳しい状況になるとGartnerは述べている。
GartnerのリサーチバイスプレジデントBarbara Gomolskiは、「今回の結果は、表面的には待望のIT支出復調を示唆する楽観的なものに見えるが、回復の度合いはあまり大きくない」と、報告書の中で指摘している。「2006年には、大半の業種で売上の増加がIT予算の増加を上回るだろう。そのため、2006年のIT支出額が絶対的に上昇しても、一部の組織では売上に対するIT支出比率が減少することになる」(Gomolski)
従業員数が20〜99名の中小企業の2006年度IT予算は7%増加するが、大企業ではこの増加率が2.4%にとどまると予測されている。IT支出の前年比増加率が最大になるのはサービス業で、2006年には11%に達するとされた。金融業では、同年のIT支出は3.4%程度の増加になるという。
「IT管理者らは、予算の増加に甘んじることなく、肝に銘じておかねばならないことがある。すなわち、IT投資の大幅な増額とIT専門家の雇用を会社に期待するなら、すでに資金を投下しているIT分野の効率を向上させる努力を続ける必要があるということだ」(Gomolski)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ