「VPN市場ではIPSecからSSL-VPNへの乗り換えが進みつつある」--。SSL-VPNアプライアンスを提供する米AventailでCOOを務めるLewis Carpenter氏は、SSL-VPN市場は大きな成長を果たすと見通す。
現在、VPN接続では一般的にIPSecが用いられているが、Carpenter氏は「IPSecに慣れてきた技術者はIPSecの問題にも気付き始めている」と話す。その問題とは「ノートPCなどのモバイル端末からのリモートアクセスにIPSecを用いると、管理が非常に煩わしい」(Carpenter氏)というものだ。Carpenter氏によれば、「その問題を解消するために、ネットワーク管理者やシステム管理者は、管理が簡単なSSL-VPNを選択する傾向がある」という。
![]() 「境界がどこにあるのかわからなくなっている」Lewis Carpenter氏 |
だが、SSL-VPNへの乗り換えは、管理コストの問題だけではないと同氏は説明する。
「かつて企業のネットワークは、ファイアウォールによって簡単に外と内とを分けることができた。はっきりとした境界があった。しかし、現在は、海外からもノートPCで企業のネットワーク内にあるリソースを使いたいというニーズ、社内のアプリケーションやデータベースを使いたいというニーズに応えるために、企業のネットワークの境界がどこにあるのかわからなくなってしまっている」(Carpenter氏)
このような状況下では、あらゆるアクセスポイントにセキュリティ上のリスクが潜むために、企業のネットワークへのアクセスは、実質的に「リモートアクセス」として捉えざるを得なくなっている。Carpenter氏は、このような状況からも、SSL-VPNへの乗り換えが進み、SSL-VPN市場の拡大は今後、急速に進むと見ている。
「ある調査会社は、2004年に世界全体で100万ドル強だったSSL-VPN市場は2008年に700万ドル強になるとの予測を出している」(Carpenter氏)
ちなみにAventailは12月7日に、SSL-VPNアプライアンス「Aventail EX-2500」を発表している。同製品シリーズのEX-1500の同時接続数は最大1000だが、EX-2500では同時接続数が2000まで対応可能となっている。日本国内での販売時期、価格は未定。