“革新”と“統合”が今後のポイント--新生CAのセキュリティ管理戦略 - (page 2)

山下竜大(編集部)

2006-01-20 20:27

--日本では、2005年4月に施行された個人情報保護法や2006年中には何らかの方向性が示される予定の日本版SOX法など、コンプライアンス分野においてセキュリティ対策が注目されていますが、米国ではどのような分野で注目が高いのでしょう。

 米国でも、やはりコンプライアンスの分野は注目が高いと思います。コンプライアンスは、すべての企業にとって共通の課題であり、解決すべき最大の課題となっています。どのように内部統制を行っていくのか、どのようにデータを保護していくのかが重要になってきます。次に、企業におけるさまざまなリスクを低減させるリスク管理は重要です。

 3つ目に、コストの削減や生産性の向上させるためのプロセスの自動化も重要になります。アクセス権が必要なユーザーに、瞬時に最適なアクセス権を提供することで、高い生産性を実現できるからです。最後に、ユーザーの満足度を向上させなければなりません。ユーザーに対して容易なアクセス権を提供することが不可欠になっています。

 CAが提供するセキュリティ管理ソリューションは、この4つの分野をすべて満たすことができるので、あらゆる企業のニーズに応えることができるのです。

--ユーザーがCAのセキュリティ管理ソリューションを選択する理由は、幅広いニーズに応えられるからなのですか。

 CAのソリューションが選ばれるのは、広範囲なシステムおよびユーザー数をサポートできることが評価されているからです。企業では、まず部門レベルでシステムが導入され、全社レベルに拡大していくという手法が多く採用されています。部門単位では、うまくいっても全社レベルに拡大するととたんに問題が発生する製品はよくあります。CAのソリューションは、あらゆるプラットフォームをサポートし、多くのユーザーに対応できる実績が評価されています。

--日本市場についてどのようなイメージを持っていますか。

 セキュリティ管理における日本市場のイメージですが、米国に比べ数年遅れているように感じます。例えば、日本では大企業においても新しいテクノロジーを最初に導入することを躊躇する傾向にあります。米国では、すでに半分以上の企業が自動化されたアイデンティティ管理を導入しています。日本での導入は、米国の半分以下となっています。また、米国でアイデンティティフェデレーション(アイデンティティ連携)分野の製品を導入している企業は10%程度ありますが、日本では導入企業はほとんどありません。

--セキュリティ技術の導入を妨げている要因のひとつに、コストとセキュリティ強度のバランスが難しいことがあるように感じますが。

 確かにバランスは重要です。ユーザーに負荷をかけるセキュリティは、良いセキュリティとは言えません。まずは、必要なセキュリティを確保し、ユーザーやシステムにに適切な形を考えることが重要です。このような高いセキュリティを低コストで実現するためには、革新性が必要です。革新的な技術により、高いセキュリティを実現しながら容易な操作性を実現できるのです。

 セキュリティは、防御だけでなく、何か問題が発生したときに迅速に対応できる“リアクション”も重要です。何かが発生したときに瞬時にシステムを停止することができるのはもちろん、誰が、いつ、どこで、何にアクセスしたのかを容易に追跡できる仕組みが重要になります。

--今後の製品ロードマップについて聞かせてください。

 今後の計画はたくさんあるのですが、大企業向けのアイデンティティ&アクセス管理(IAM)ソリューションにおけるミッションに限って言えば、“革新(Innovation)”と“統合(Integration)”の2つのが大きなポイントになります。

 例えば、旧Netegrityの製品やテクノロジーは、CAのソリューションとして組み込まれていますが、完全に統合されたわけではありません。ですから、今後もフェデレーションの技術やSOA(サービス指向アーキテクチャ)、Webサービスなどの革新的なテクノロジーを使うことで統合作業を進めていかなければなりません。

 まだまだやるべきことはたくさん残っていますが、CAはこれを実現できる非常にいいポジションにいると思います。

--セキュリティ分野におけるCAの強みを一言でまとめるとどのような点になるのでしょう。

 “エンタープライズセキュリティ管理を実現できること”この一言につきます。

Matthew Gardiner(マシュー・ガーディナー)
CA eTrustシニアマーケティングマネージャ
アイデンティティ/アクセスマネジメント製品のプロダクトマーケティングに従事し、主にアイデンティティマネジメント、アイデンティティフェデレーション分野の製品を担当する。CAに入社する前は、Netegrityにおいてテクニカルマーケティングのポジションにあり、それ以前はGeoTel Communications(Ciscoが買収)、Cisco Systems、Applixに在籍していた。

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