テスト自動化ツール「Agitator」の拡販を目指し、アジターソフトウェアが日本法人を設立

柴田克己(編集部)

2006-01-23 16:36

 Javaプログラミングにおける開発者テストの自動化ツールである「Agitator」を提供するAgitar Softwareは、日本法人となるアジターソフトウェアジャパンを設立したと発表した。

 米国カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置く同社は、Java言語開発チームに所属したAlberto Savoia氏とRonngko Doong氏が2002年に設立した。Agitatorのほか、同製品と組み合わせることでテストの進ちょく管理やレポート作成を可能にする「Agitar Management Dashboard」を提供している。設立当初より、“Javaの生みの親”とも呼ばれるJames Gosling氏をテクニカルアドバイザリーボードに迎え、2004年からはエクストリーム・プログラミングおよびオープンソースのテスティングフレームワークである「JUnit」の開発者として知られるKent Beck氏が参加したことでも注目を集めている企業だ。

 Agitatorは、Eclipseをはじめ、IBM Rational Software Development Platform、IntelliJ、JBuilderといった統合開発環境(IDE)のプラグインとして動作する。最大の特徴は、バイトコードの解析結果から、自動的に必要とされるテストデータを設定し、各メソッドを呼び出してテストを実行できる点だ。開発者テストによってソフトウェア品質の向上を図ろうとする場合には、従来ならば、本来のコードを上回る量のテストコードを手作業で生成する必要があり、開発者にとって大きな負荷となっていた。Agitatorの導入により、こうしたテスト作業の大幅な効率化が可能になるという。

 来日したAgitar SoftwareのCEOであるJerry Rudisin氏は、「開発初期の段階から開発者テストを継続的に行うことで、バグの除去に必要なコストが削減され、迅速かつ高品質なソフトウェア開発が可能になる。実際に多くの導入企業で、われわれの提供するソリューションの有用性が認めてられている」と述べ、開発者テストツール市場のリーダーとしての自信を見せた。

アジターソフトウェアジャパンの代表取締役社長に就任した津吹辰彦氏

 アジターソフトウェアジャパンの社長に就任した津吹辰彦氏は、ラショナル・ソフトウェアの大手企業向け営業責任者やUML教育研究所の代表などを歴任し、ソフトウェア開発に関わる品質・生産性の向上といった分野で多くの経験を持つ人物。日本においては、2004年以降、イーシー・ワンテンアートニなどが代理店となってAgitatorおよびAgitar Management Dashboardの販売を行っている。津吹氏は「日本法人の設立によって、今後はより詳細な情報提供やきめの細かいサポートが可能になる。今後は間接販売と直販の両方を展開し、現在25社の日本のユーザー数を、今年度中に100社にまで伸ばしていきたい」と目標を語った。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]