サンフランシスコ発--VMwareは今週から、上位製品「ESX Server」の新版のテストを広く開始する。EMC傘下のVMwareはつい最近、同社の基礎的なサーバソフトウェアパッケージ製品を無料で提供し始めたばかりだ。なおESX Serverの正式版リリースは、当初の予定より数カ月遅れる可能性がある。
新たに無料化されたVMware Serverと同様、ESX Serverは、x86チップを搭載する1台のサーバで複数のオペレーティングシステム(OS)を稼働させ、コンピューティングリソースの効率的な利用を可能にする製品だ。ESX ServerはOSのすぐ下のレイヤーで動作することで、ホスト用のWindowsもしくはLinux OS上で動作するVMware Server製品以上の高いパフォーマンスおよび高い処理能力を実現している。
VMwareによれば、同社の2005年第4四半期における売上は1億1500万ドルに達したという。同社はこうした成長に合わせて、仮想化製品を、基本的なものから基本製品の技術を利用するより高レベルなものへと拡大してきた。例えば、ESX Server上で稼働する「VMotion」ソフトウェアは、OSとアプリケーションで構成される仮想マシンを、稼働中の状態でコンピュータからコンピュータへ移動させることができる。
このたび発表されたESX Server 3.0のベータ版も、高レベルな製品として位置付けられる。VMwareのプレジデントDiane Greeneは、同製品では、複数の仮想マシン間における負荷分散やデータのバックアップ、クラスタ管理などが可能になっていると、米国時間2月9日の記者会見で述べた。また同社はこれ以前に、同ベータ版は現在の「Virtual SMP」機能の倍にあたる4プロセッサ仮想マシンに対応すると話していた。
もっとも、同製品の正式版リリースは予定より遅くなりそうだ。VMwareは2005年に、ESX Server 3.0を2006年第1四半期にリリースすると発表したが、同社の関係者によると、現在ではこの期限を第2四半期末まで延期しているという。
VMwareが2005年に開始したベータテストは限定的なものだったが、今週には2700名のユーザーがESX Server 3.0のベータを試用し始める予定だと、同社は明らかにしている。
VMwareの戦略的提携および事業発展部門でバイスプレジデントを務めるBrian Byunは、ESX Serverの4分の3以上が、「Virtual Infrastructure Node(VIN)」と呼ばれるバンドル製品として出荷されることになると話す。VINにはVirtual SMPやVMotionが含まれ、「VirtualCenter」管理ソフトウェアにプラグインさせることが可能である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ