オープンソースの非営利団体Eclipse Foundationは米国時間3月20日、カリフォルニア州サンタクララで年次カンファレンス「EclipseCon」を開催し、新しいメンバーと新しいプロジェクトの詳細について説明する予定だ。
EclipseConで発表を予定している新メンバーは、オンデマンドCRMプロバイダーのSalesforce.com、販売アプリケーションベンダーのSugarCRMの2社だ。EclipseConではこのほか、PCデスクトップアプリケーション作成に用いられる「Eclipse Rich Client Platform」をベースとした取り組みなどの新規プロジェクトに関する詳細情報も公開される予定だ。
Eclipse Foundationは、開発環境Eclipseを開発および運営する団体だ。Eclipseの特徴は、モジュラ構成のプログラムで、開発者が複数のベンダー製のアドオン、つまりプラグインを組み合わせながらアプリケーションを構築できる点だ。たとえば、Javaプログラマはアプリケーションモデリングやパフォーマンス管理などのプラグインをEclipseに組み合わせて開発できる。
IT開発に特化した調査会社Evans Dataによると、Eclipseは、Javaプログラミング向け開発環境として人気のあるツールという。Eclipse FoundationはJavaだけではなく、現在、PHPやJavaScriptなどの言語向けプロジェクトや開発に関連したタスクにも着手している。現在、Eclipse Foundationのメンバーは130社おり、その多くがソフトウェアプロバイダーだ。
Eclipseでマーケティングディレクターを担当するIan Skerrett氏によると、EclipseConでは、仏企業NuxeoがEclipse Rich Client Platformをベースとしたアプリケーションとコンテンツ管理システムを接続するソフトウェアプロジェクトを提案する予定という。このほかにも、Exadelが同プラットフォームを使ったJavaサーバアプリケーション構築に関するプロジェクトを提案する予定だ。
さらに、Serena Softwareなどの企業が、2005年秋に開始された取り組みである「Application Lifecycle Management(ALM)」プロジェクト用に実証コードを発表する予定だ。ALMプロジェクトは、複数のベンダーが提供するいわゆるライフサイクルツール(モデリングや要件収集用のツールなど)を統合するためにソフトウェアを作成することを目的としている。
新たにメンバーとなるSalesforceは20日、Eclipseプラグインを集めた「AppExchange Toolkit」をリリースする予定だ。同製品は、Salesforceのホスティング型サービスで稼働するウェブ用アプリケーションを構築するためのソフトウェアである。また、同社は、Microsoftの「Visual Studio.Net」用アドインも開発した。
「われわれは2頭の馬に賭けることになる。Visual Studio.Netのサポートは継続するが、.Net以外の環境に向けてはEclipseを使用する」と、Salesforceでデベロッパーマーケティングのバイスプレジデントを務めるAdam Gross氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ