新興企業のSplunk(本社:サンフランシスコ)は、システムの不具合の原因を突き止めるIT専門家を対象に、Wiki(共同作業用ウェブサイト)を開設する予定である。
同社は米国時間4月3日、「Splunk Base」と称する商用ホスティング型サービスを開始するとみられている。これはオンライン百科事典のWikipediaに匹敵するサービスとなることを目指しているが、IT管理者が対象となっている。
Splunk Baseは、システム管理者が、データセンター運営の際に遭遇するエラー関連情報を投稿できるホスティング型Wikiである。例えば、データベース管理者ならば、Oracleデータベースを「Apache」ウェブサーバ上で動作させるためにセットアップする際によく生じる問題を報告したりできる。
このシステムは無料で利用できる。また、管理者らはエントリへのタグ(ラベル)付けが可能なため、他の利用者がシステム上の問題に対する解決法をより迅速に突き止められるようにできる。同社の名前は「Spelunking(洞くつ探検)」をもじったものである。
Splunkのほかの製品としては、2005年に公開された業務用サーバアプリケーションがあり、管理者はトラブルシューティングを迅速化するためにログファイル情報の閲覧および検索が可能となる。
同社の最高経営責任者(CEO)のMichael Baum氏は、システム管理者向けにさらに優れたツールを開発するというアイディアは、同氏がかつてYahooやその他の電子商取引会社に所属していたときに得られたものだと述べている。
「われわれはそのシステムが稼動し続けるために多くの時間を費やしてきた。また私はわが社の従業員がログファイルに目を通すために多くの時間を費やしてきたのをみてきた。それは非常に原始的(な方法)である」(Baum氏)
ルータ、サーバ、データベース、そしてウェブサーバといった情報機器はいずれも、ログファイルに稼働記録を残す。しかしこのようなイベント情報から意味をくみ取り、複数の異なる要素を相互に関連付けることは複雑かつ時間のかかる作業であると、Baum氏は言う。
ログ情報を単一のフォーマットに統一するための取り組みもなされている。これにより理論上は、システム管理者が問題を早期に突き止めることが促される。IBMは同社が進めるオートノミックコンピューティングに関する取り組みの一環として、コモンログファイルのリポーティングフォーマットを発行している。
Baum氏によると、そのフォーマットに統一するようにデバイスおよびソフトウェアベンダーを引き込もうとすることは、ひとつにはその労力からして「こっけいである」という。同氏はまた、新製品が市場に出回るのは早いため、単一のフォーマットに固執することには注意が必要であると指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ