検索を軸にした情報の「フロー」に注目するウチダスペクトラム

柴田克己(編集部)

2006-04-19 21:29

 ウチダスペクトラムの提供する「SMART/InSight」は、ノルウェーの企業であるファストサーチ&トランスファ(ファスト)が開発した検索エンジン「FAST Data Search」を核とした、企業向けの検索ソリューションである。

 ウチダスペクトラムは、内田洋行と米国Software Spectrumが合弁で1995年3月に設立した企業だ。同社が2004年に発表したSMART/InSightの基本的なコンセプトについて、代表取締役社長の町田潔氏は「企業ユーザーがナレッジワークを効果的、効率的に進めることを手助けするためのプラットフォームの提供」であるとする。

ウチダスペクトラム、代表取締役社長の町田潔氏画像 ウチダスペクトラム、代表取締役社長の町田潔氏

 「企業に蓄積されたデジタル情報を効果的に流通させ、活用するためのプラットフォームを考えたとき、そのコアになるのは“検索”であると考えている。SMART/InSightでは、企業にとって必要となる情報の収集から、共有に至るまでの情報活用のサイクル、つまり“ナレッジワークフロー”を作り出すための機能を意識している」(町田氏)

 必要な情報を探し出してストックし、それらを整理して共有する。この一連の流れを生み出すにあたって、文字通りエンジンの役割を果たすのがファストの検索エンジンである。ウチダスペクトラムでは、SMART/InSightを通じて、知識の流れを生み出すための仕組みと、ノウハウの提供を行っていこうとしている。

情報活用で重要な5つのフェーズ

 SMART/InSightでは、情報活用のためのフェーズを、大きく「コンテンツ収集」「ビジネスロジックによる処理」「情報発見」「定期購読」「情報共有」の5つに分けて考えているという。

「コンテンツ収集」は、文字通り、企業にとって必要な情報を社内外から集め、その所在を記録するためのフェーズだ。検索エンジンによるクローリングで、インデックスを作成するという段階がこれにあたる。

 オフィス文書やグループウェア、データベースなどの内容をインデックス化することになるが、SMART/InSightでは、このフェーズにおいて、特に「社外」の情報に対するクローリングとインデックスの作成が、企業が競争力を高めるためには重要であるとする。

 「企業内に眠っている情報を活用することに比べて、社外にある情報を活用することの重要性は見落とされがちだ。しかし、実際には、業務によって社内に蓄積された情報は“その会社の過去”に関するものである。その企業にこれまでなかった、まったく新しいものを生み出すための情報は、実は社外に存在している」(ウチダスペクトラム、ビジネスアーキテクトのラフール・アガルワラ氏)

 SMART/InSightでは、必要に応じて社外ウェブサイトのクローリングを行う機能も備えている。さらに、ランドスケイプや日経メディアマーケティングといった、商用ビジネスコンテンツのホルダーと提携を行い、SMART/InSightをコンテンツまでを含めたソリューションとして提供するという戦略にも、その姿勢は強く表れている。

アガルワラ氏、長尾氏画像 ウチダスペクトラム、ビジネスアーキテクトのラフール・アガルワラ氏(右)と、SMART/InSight事業推進グループ執行役員の長尾唱氏

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