ソフトイーサは7月31日、TCP/IP上のレイヤ2型VPNソフト向けVoIP/QoS処理技術を発表した。この技術を利用すると、ネットワークが混雑している場合でも、VPN経由のIP電話で音質が向上するという。ソフトイーサはVPNソフト「PacketiX VPN 2.0」に同技術を組み込み、マイナーアップデート版「PacketiX VPN 2.0 Option Pack」として8月に提供を開始する予定だ。
これまでPacketiX VPN 2.0の構成するTCP/IP VPNトンネル内部では、特定のパケットを優先的に処理することなく、すべてのイーサネットフレームを同等にキューイング、伝送していた。今回開発した技術は、PacketiX VPN 2.0で構成されるレイヤ2VPNを用いた通信について、パケットに付加された優先度情報に応じて優先制御や帯域確保などを自動的に実施し、QoS処理を実現可能とした。VPN経路上にあるルータなどがQoS機能を備えていなくても、同技術のQoS処理は利用できる。
同技術により、VoIPパケットなどのように低遅延、低ジッタが要求される通信パケットを、ほかのパケットより優先的にVPN伝送できる。その結果、ファイルダウンロードなどのトラフィックでネットワークが混雑している場合でも、VPN経由IP電話の通話音質は悪化しにくい。
複数の離れたLAN同士を接続して仮想的な単一ネットワークを構築するPacketiX VPN 2.0のレイヤ2型VPN機能と、今回のVoIP/QoS処理技術を組み合わせることで、拠点間をまたがる形のIP電話内線システムを低コストで実現できる。「高品質なIP電話システムを、安価なブロードバンドインターネット接続を用いて構築可能となり、通信コストやハード費用、管理コストの削減につながる」(ソフトイーサ)