凸版印刷(足立直樹社長)と日本オラクル(新宅正明社長)は9月21日、凸版印刷の熊本工場(熊本県玉名市)のクリーンルーム内で使用する、ICタグを活用したオンチップカラーフィルター工程管理システムを構築したと発表した。すでに4月に試験運用を開始しており、9月末から本格稼動する予定。
凸版印刷独自のRFIDシステム「TesStar(テススター)」と日本オラクルのRFIDミドルウェア「Oracle Sensor Edge Server」を組み合わせた。作業ミスを削減するとともに、より効率的で正確な製造工程管理を可能にする。
今回構築したオンチップカラーフィルター工程管理システムは、イメージセンサーなどの半導体ウェハを収容し、工程間搬送用として使用する容器「SMIF-Pod」にICタグ付きのインデックスカードを貼り、クリーンルーム内のすべての工程を管理するもの。これにより、非接触でのチェックが可能となり確認作業の負荷を軽減できる。
また、狭い室内に多数のリーダー/ライターを設置した場合に発生する相互干渉や、ICタグの誤認識をリーダー/ライターの改良により回避し、狭い室内で多数の工程を管理できるようにした。通信情報は、日本オラクルのミドルウェア「Oracle Sensor Edge Server」が最適化。100台以上のリーダー/ライターを一元的に管理するだけでなく、システム全体のパフォーマンス向上が可能になる。
凸版印刷は同システムを導入することで、多品種・多工程を要するオンチップカラーフィルター(イメージセンサー用半導体ウェハーに直接取り付けられるカラーフィルター)の効率的な生産体制を確立、生産拡大を図る。今後は、日本オラクルのBIツール「Oracle Business Intelligence」を活用するなど、両社の技術導入をもとにシステムを発展させ、「クリーンルーム内工程管理システム」として社外への販売なども行っていく。