米Microsoftは小規模企業向けに提供する「Microsoft Office Live」のベータテストをまもなく終了する。また、同サービスには複数の新しい機能が追加されている。
Office Liveとは、広く普及したMicrosoft製デスクトップソフトウェアスイートのオンライン版のことではなく、電子メール、ウェブホスティング、連絡先管理ソフトウェアなどを含む、小規模企業を対象としたサービスのことである。
Microsoftはドキュメント作成ツールのオンライン版を提供するというアイデアに反対しているわけではないが、小規模企業にはそうした需要はないと、同社のOffice Liveチャネル・ビジネス戦略ディレクターMarja Koopmans氏は語る。
Koopmans氏は、「小規模企業からは『デスクトップの環境を替えたいとは思わない』という声が寄せられている」と述べる。企業は、商品を販売したり、ネットでの販売を促進するソフトウェアの方に関心がある。同氏は、「Office Liveはこうした機能の提供に力を入れている。もっとも、将来の拡張については、あらゆる可能性を模索したい」という。
同社ではWorks事業部が中心となって、スプレッドシートやワードプロセッサなどのアプリケーションを、オンラインであるいは広告付きで提供することについてさまざまなアイデアを模索してきた。
ライバルのGoogleは、オンラインワープロを開発するWritelyを3月に買収し、6月にはスプレッドシートソフトウェアを公開した。またスプレッドシートとワードプロセッサ機能を組み合わせた「Google Docs & Spreadsheets」というオンラインツールも10月初めに発表している。
MicrosoftのBill Gates氏やRay Ozzie氏などのトップ幹部らは1年前、カリフォルニア州サンフランシスコにおいて、「ライブの時代」と称するソフトウェアの新局面の幕開けを発表し、Office Liveの計画を明らかにした。Microsoftは当時、ウェブページデザイン、サイト運営、電子メールアクセスなどのプログラムを中心に、約20種類のオンラインビジネスアプリケーションについて説明した。
テスト期間
米国では、2月のテスト開始以来、これまでに延べ約16万人が同サービスを試用してきた。Microsoftは同プログラムのローカライズにも取り組んでおり、フランス、ドイツ、英国で同サービスのベータテストを11月15日より開始する予定で、日本では11月15日以降に提供される。米国では11月15日にベータテストを終了すると、Koopmans氏は語っている。
大きな変更点の1つが顧客管理ソフトウェア「Office Live Business Contact Manager」の追加だ。そしてもう1つが、オンラインでキーワード検索広告を管理できる「adManager」と呼ばれるプログラム。Koopmans氏によると、adManagerの初期バージョンはMicrosoftの「Windows Live Search」にしか対応していなかったが、同社ではほかの大小さまざまな検索エンジンと提携していく意向だ。同氏は複数の案件が「契約間近」であると、述べる。