ネットスイートは11月17日、同社のオンデマンドソフトウェア「NetSuite」をカスタマイズするためのプラットフォーム、「SuiteFlex」を発表した。同日より、NetSuiteのCRMおよびCRM+製品の日本語版で利用可能となる。
SuiteFlexを利用することで、「既存のビジネスプロセスをカスタマイズできるだけでなく、全く新しいプロセスも作成できる。また、NetSuite上で稼働する新しいアプリケーションの開発も可能だ」と、NetSuite インターナショナル プロダクトマネジメント シニアディレクターのCraig Sullivan氏は説明する。
SuiteFlexには、NetSuite内に新しいアプリケーションが構築できる「SuiteBuilder」、NetSuiteを外部システムに拡張できる「SuiteTalk」、業務プロセスをカスタマイズできる「SuiteScript」の3つのコンポーネントが含まれている。
SuiteBuilderは、NetSuite内のパーソナル化や設定、業種対応カスタマイゼーションなど全ての機能がシステム内で管理できるツールだ。コードを書く必要はなく、クリックのみで操作できる。
SuiteTalkは、業界標準のWebサービスAPIであるSOAPにより、NetSuiteの機能を外部システムやサードパーティー製のアプリケーションに拡張できる。SOAPをサポートしていれば言語やプラットフォームは問わないため、例えばJavaやMicrosoft .NETなどの環境下でNetSuiteのビジネスオブジェクトを生成できる。
SuiteScriptは、JavaScriptベースのプログラミング言語だ。カスタムデータテーブルやフォーム、プロセス検証、タブなど、新たなプロセスをNetSuite内に構築できる。
SaaSに向けた言語およびプラットフォームとしては、NetSuiteの競合であるSalesforce.comも「Apex」として提供している。Sullivan氏は、SuiteFlexとApexの違いについて、「SalesforceのアーキテクチャはCRMのデータオブジェクトしかサポートしておらず、例えば財務管理など他のシステムと連携させることが困難だ。SuiteFlexでは、ERPなどのオブジェクトにも対応しているのでシステム統合が容易となる。SuiteFlexは、新しいビジネスプロセスやワークフローの追加や変更にも対応している点が特徴だ」と話す。
SuiteFlexによるカスタマイズは、NetSuiteのアップグレードの際にも継承できる。利用者が独自にカスタマイズできるのはもちろん、今後はパートナーを通じて業種別のカスタマイズパッケージも提供する予定だ。