SAPジャパンは11月16日、第一生命保険が、同社の財務会計システム基盤として、SAPジャパンのERPパッケージ「mySAP ERP」を導入したことを発表した。
第一生命では、金融商品取引法の四半期報告制度など会計制度の動きを見据え、財務会計、予算管理など会計業務のシステム基盤の再構築を進めており、対応手段のひとつとしてSAP製品を導入。会計制度変更に対応する柔軟性の確保、決算業務の効率化、予算管理業務の効率化などを目標に、会計システム再構築の検討とSAP製品の評価作業を実施した。
同社は、SAP製品の機能性、SAPジャパンによる特別支援体制、SAPパートナー企業である第一生命情報システムとみずほ情報総研のノウハウを評価して、このシステムを採用。
新システムでは、全国約1800拠点で使われる会計伝票収録システムや保険契約システムなどの周辺システムと連携する既存会計システムを活用し、それを「mySAP ERP」の財務会計コンポーネントと連動させ、貸借対照表・損益計算書などの財務諸表を作成する仕組みとした。
また、新システム基盤に統合された管理会計コンポーネント上に、予算管理業務システムを構築した。「SAP NetWeaver Business Intelligence(SAP BI)」による分析機能も実装している。
金融業界では、会社法改正にともなう財務諸表の表示項目変更や株主資本等変動計算書の新設や金融商品取引法など、対応が急務となっている。また今後の各種会計制度の頻繁な新設・変更を背景に、財務会計システムには柔軟性・拡張性の高さが強く求められている。