米IBM(ニューヨーク州、サミュエル・J・パルミサーノ会長)は12月15日、今後5年間に人々の働き方・生き方・遊び方を変化させる可能性をもつ5つのイノベーション「IBM Next Five in Five」を発表した。このイノベーションは、市場や社会のトレンド・ニーズを基にし、全世界の同社研究所による新技術によって裏づけられたもの。
1つ目は、医療について。患者自身が身につけたり家庭に設置したりするセンサーを通じて、医療の専門家がいつでも患者の健康状態を監視し予防医療を提供するようになる。
2つ目は、モバイル機器について。携帯電話や携帯情報端末(PDA)などあらゆる種類のモバイル機器が、ユーザーの居場所や嗜好を自動的に把握する機能を身につける。
3つ目は、音声による翻訳について。リアルタイムで翻訳する技術やサービスが、モバイル機器・自動車に組み込まれるようになる。このサービスがグローバル経済と社会活動における言葉の壁を解消する。
4つ目は、インターネットについて。オンラインゲームなどの没入型インターネットサイトが3次元へと進化。実際の店舗では出会えない特定の分野の専門家と関われることで、新しいタイプの教育・消費者体験が可能になる。
5つ目は、環境問題について。ナノテクノロジーが水のろ過に利用される。このことが生態学や環境保全を進展させ、世界的な飲料水の供給不足に役立つ。また、 IT・物理学・材料科学が大きな影響を及ぼす分野には、水に関する先進的なモデリングや太陽光発電システムの改良が行われる。