MBO SYSTEMは、目標管理やコンピテンシー、自己申告所といった人事評価にかかわるものをイントラネット上で一元管理し、人事部の制度運営を円滑にサポートするウェブパッケージだ。シンプルかつ実用性に優れ、実際に構造計画研究所も自らの人事評価システムとして活用している。
「これと、SFAツールであるeセールスマネージャーを組み合わせることで、人事評価に営業プロセスを反映させることができる」(児玉氏)
通常、MBO SYSTEMで扱われる目標管理やコンピテンシーといった定性評価が人事評価に利用されるが、これにeセールスマネージャーから取得できる受注ポイントやプロセスポイント、失注、中断ポイントといったものを定量評価として加える。この双方を掛け合わせて最終評価とするわけだ。管理部や開発部門では定性評価の比重を高くするなど、定性評価と定量評価の比率は部門単位で変更することも可能だ。
実際には、eセールスマネージャーから得られる定量評価の要素に調整値を加えて変換し、MBO SYSTEMに取り込むことになる。各種行動をポイント換算するにあたって、部門単位でポイント計算式は変更される。
これは、eセールスマネージャーから抽出データの条件を加工して取り出すための中間データベースを経由してMBO用オブジェクトに取り込み、取得するデータ項目と係数を保持する係数設定ファイルと、指定計算式で計算するための計算定義ファイル、取得データを表示するためのレイアウトファイルを組み合わせてファイルを生成することで対応できる。処理をファイル管理することで、さまざまな変更に柔軟に対応できるのが特長だ。
人事評価を核に各種システムと連携
営業プロセスを人事評価に反映するためのシステム化の効果は、経営層、人事担当者、営業担当者のすべてにある。経営層にとっては営業に対する評価を定量的かつ具体的に行うことができるようになることに加えて、SFAの利用率が上がることで本来、要求されている詳細なデータが取得できる。
また人事担当者は評価のためのデータの加工処理が不要になり、承認から回収の作業がスムーズになる。そして営業担当者は結果だけでなくプロセスも定量的に評価されることによって評価システムに対する納得度が高まり、SFAツール活用への意欲も増すというわけだ。
構造計画研究所では、今後の展開として、さらに評価、育成、最適配置といったキーワードを達成するために他のシステムとの連携を積極的に行っていきたいとしている。SFAとの連携で営業担当者の定量指標を実現したように、人材/組織診断システムとの連携で「性格/モチベーション」の測定を、また財務/会計システムとの連携で「業務目標値」の測定を実現するといった具合だ。
「人事評価システムであるMBO SYSTEMを核に、自社の苦手な分野に関しては積極的に他システムと連携することで、多面的な指標の評価手法、人材育成と最適配置材料の提供ツールとして進化し続けたいと考えている」(児玉氏)