富士通は3月14日、九州大学情報基盤センターからスーパーコンピュータシステムを受注したことを発表した。
今回富士通が受注したシステムの総演算性能は、31.5テラフロップス。全国に7つある「全国共同利用情報基盤センター」で最高の性能で、今後学内外の利用者に対し、主に流体解析や分子科学などの計算科学分野において高度な計算サービスを提供することになる。
新システムは、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 580」32台からなる大規模SMP(Symmetric Multiple Processor:対称型マルチプロセッサ)クラスタと、PCサーバ「PRIMERGY RX200 S3」384台からなるPCクラスタの2システム、およびファイルシステム管理サーバとして「PRIMEQUEST 580」1台から構成される。また、富士通のHPCソフト「Parallelnavi」によって、利用者に機種混在を意識させることのない利用環境を提供できるという。
計算サーバであるPRIMEQUEST 580とPRIMERGY RX200 S3のOSは、ともにRed Hat Enterprise Linux。ファイルシステム管理サーバのPRIMEQUESTでは、高速分散ファイルシステム「Parallelnavi SRFS for Linux」を搭載し、計算サーバで演算処理を行った大容量データを高速に転送。ストレージ上での高信頼ファイル管理とあわせて科学技術計算分野に最適な高性能、高信頼ファイルシステムとなっている。
全国共同利用情報基盤センターは、全国共同利用施設として、全国を7つの地域に分け、各地区の大学や研究機関からの汎用大型システムおよびスーパーコンピュータなどの利用に関して、大型計算機資源の提供をはじめとするさまざまな機能を提供する。九州大学のほか、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学および大阪大学にそれぞれ拠点を持つ。
九州大学情報基盤センターの新システムは、2007年6月に稼働する予定だ。