Sun Microsystemsがカリフォルニア州サンフランシスコで開催している「2007 JavaOne Conference」2日目の5月9日、同社のCTO(最高技術責任者)兼バイスプレジデントでサンフェロー、クライアントグループを率いるJames Gosling氏がインターナショナル(北米以外)のプレス向けセッションに登場。Javaのオープンソース化について語った。
JavaOneカンファレンスでSunは、Java Standard Edition(Java SE)のJava Development Kit(JDK)を、GPLv2ライセンスに従ってOpenJDKコミュニティに公開したことを明らかにした。
同社のソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントであるRich Green氏が基調講演の中で「Javaのオープン化は完了した。今日は、Javaにとって歴史的な日だ」と話していることからもJavaのオープンソース化がいかにSunにとって重要な戦略であったかが想像できる。
従来、SunはJavaをオープンソース化することに対し、あまり前向きでないと報道されてきた。その理由としてJavaをオープンソース化することで、Javaの派生ソフトウェアが誕生し、「Write Once, Run Anywhere(一度書けば、どこでも動く)」というコンセプトを実現することが難しくなることが挙げられる。
しかしGosling氏は、「Javaに関しては、かなり以前からオープンソース化を考えていた。具体的に言えば、マイクロソフトとJavaのライセンス契約に関して争っているころからだ。このころSunでは、Netscapeから生まれた“Mozillaプロジェクト”に関わっており、すでにオープンソースコミュニティに関わっていたし、オープンソースについて理解していた」と話す。
SunがJavaのライセンス契約に違反し、独自の改良を加えたとしてMicrosoftを提訴したのが1997年、NetscapeがMozillaプロジェクトを立ち上げたのが1998年であることから、Gosling氏の話しには説得力がある。
「ライセンス問題や相互運用性の確立など、いくつかの懸念があったのは事実だ。しかしSunでは、当初よりJavaのオープンソース化を積極的に推進していた。Javaをオープンソース化することで、(Microsoftのように)別のJavaを生み出したり、Java自体を変化させてしまう人が出てくるのではないかという心配をする人もいるだろう」とGosling氏。