“Javaのオープンソース化は好機”--サンの要人が語るJavaの現状と未来

山下竜大(編集部)

2007-05-09 22:05

 Sun Microsystemsは5月8日、カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターにおいてJava開発者向けの一大イベント「2007 JavaOne Conference」を開幕。基調講演に同社のソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントであるRich Green氏が登場し、すでに報道されているコンシューマ機器向けJavaアプリケーション開発環境「Java FX」をはじめとするJavaテクノロジの最新アップデートについて紹介した。

 今回のJavaOneのテーマは、「Open Possibilities(オープンの可能性)」。同社は2006年11月にJavaテクノロジをGNU General Public License(GPL)バージョン2のもとで公開することを発表。その後、初めての開始となる今回のJavaOneでは、その可能性を探ろうと言うわけだ。Javaのオープンソース化への関心は高く、今回のJavaOneには1万5000人を超えるJava開発者が集合するという。

サンのRich Green氏 Sun Microsystemsのソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデント、Rich Green氏。

 Green氏は、まずJavaの現状について紹介。1995年に登場したJavaは12年を経て、開発者数600万人、55億台のデバイス、250万の企業システム、8億台のデスクトップ環境、20億台の携帯電話、1100万台の家電製品に組み込まれているという。同氏は、「Javaの成功は、多くのJava開発者が参加(Participation)してくれた結果だ。Javaの世界は12年たった今でもさらに加速している」と話している。

 さらに加速するJavaの世界においてまず紹介されたのが、Java Enterprise Edition 5をベースとしたオープンソースのアプリケーションサーバ「GlassFish」コミュニティの成果について。GlassFishは現在、バージョン2.0のベータ版が提供されている。最新バージョンでは、JRubyをはじめとする企業システム開発向けのスクリプト言語がサポートされたほか、SolarisやWindowsはもちろん、Linux、Mac OS Xにも対応する。

 特に革新的なのはエンタープライズ分野および次世代ネットワーク環境(IP Multimedia Subsystem:IMS)のためのマルチメディアサービスをサポートしたこと。具体的な成果として、EricsonがGlassFishをベースとした初のSIPサーバ「Sun Java System Communications Application Server」を公開したことが発表された。

 また、Sun Java Real-Time Systemの取り組みとして、NASDAQの取り組みを紹介。NASDAQでは、Sun Java Real-Time Systemを活用することで、1秒間に15万トランザクション以上の処理能力を実現していることが紹介された。Sun Java Real-Time Systemは、金融はもちろん、通信、航空宇宙、半導体など、数多くの分野で採用されている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]