「サーバで稼働するJavaのための“テーラーメイドOS”が構築できる」--日本BEAシステムズ

田中好伸(編集部) 2006年05月23日 09時30分

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 日本BEAシステムズは5月18日に同社のJava仮想マシン(JVM)「BEA JRockit」の説明会を開催。その中でBEA SystemsのHenrik Stahl氏は、サーバ上で稼働するJavaアプリケーションのために最適化されたOSを構築するためのソフトウェアを2006年末に出す方針であることを明らかにした。

 Stahl氏は、BEA SytemsのJava Runtime Products Groupでシニア・プロダクト・マネージャーを務めており、同氏が所属するグループが開発するJRockitはIntelプラットフォーム用に最適化されたJVM。現在出荷されているJRockit 5.0 R26は64ビット環境にも最適化されており、これまでのIntelアーキテクチャに加え、SPARC上のSolarisにも対応するようになっている。

Henrik Stahl氏 「汎用OSは大きく遅い」と語るHenrik Stahl氏

 JRockitを使うメリットについてStahl氏は、「JRockitは他社が提供するJava仮想マシンよりも速い反応を示す。実際にベンチマークテストでは、他社製よりも17〜24%速いという結果が出ている」と強調する。通信系アプリケーションのベンチマークテストでも他社製よりも「遅延時間を減少させている」(Stahl氏)としている。

 「通信分野で使われるSIPサーバでは50〜100ミリ秒ぐらいの間に反応することが求められている。もし、この時間内に反応しないとネットワーク障害として処理されることになってします。しかし、JRockitであれば、遅延時間は50ミリ秒以下にまで減少され、SIPサーバの要件を満たすことができる」(Stahl氏)

 またStahl氏の説明によれば、金融分野で株式の価格を計算するアプリケーションのベンチマークテストでも「JRockitは、遅延時間は20ミリ秒以内で安定している」という。

 説明会でStahl氏は、「Bare Metal」と「Resource Broker」の2つの開発プロジェクトについても説明した。この開発プロジェクトは2005年のJavaOneで明らかになったものだ。

 現在、企業の情報システム基盤はサーバが乱立しているために仮想化技術によって、1つの物理サーバに複数のサーバを統合(Consolidation)しようとする動きが盛んになっている。統合することでハードウェアの稼働率を向上させるとともに、購入・保守コストを削減できるからだ。この時、ハードウェア基盤の上に、VMwareやXenなどの仮想化ソフト(Stahl氏は「Hypervisor」と呼ぶ)を導入し、その上にWindowsやLinuxといったOSを置き、その上にJVM(具体的にはJRockit)、さらにその上にJavaアプリケーションサーバを立てることになる。

 しかし、このような場合、「Hypervisor、OS、JVMの3つの階層で仮想化が行われることになるが、ガベージコレクション、スワップ、スレッドスケジューリングなどの調整が行われないことから、性能を向上させられない」(Stahl氏)という。WindowsやLinuxは、たとえばCPUやメモリ、ネットワーク帯域などのリソースをアプリケーションに確実に割り当てることができないからだ。

 「WindowsやLinuxといった汎用OSは、あらゆるアプリケーションを稼働させることを目的にしており、大きくて遅い。OSの保守作業は増えるが、アプリケーションのパフォーマンスは減少していくという問題をもたらす」(Stahl氏)

 そこでBEA Systemsが考えたアイデアが、OSを利用しないというものだ。ハードウェア上でHypervisorとJVM(具体的にはJRockit)とを、同社が開発するBare Metalで結びつけるのである。ハードウェアのデバイスドライバはVMwareやXenといったHypervisorが担うことになる。こうした動作環境では、JRockitごとにリソースを確実に割り当てることが可能になる。この場合、JRockitからBare MetalはOSに見えるが、Bare Metalは1つのJRockitのプロセスを動かすのに最適な機能を提供することができる。

 「Bare Metalは、その上に置かれるJRockitごとに最適なOSになるわけであり、“テーラーメイドのOS”と言える」(Stahl氏)

 先に説明したResource Brokerは、こうした動作環境下でリソースをプールしてJVMなどに割り当てるソフトウェアとなる。Resource Brokerは、1台のサーバだけでなく、複数のサーバのリソースをまとめてプールして割り当てることができるようになるという。Bare MetalとResource Brokerはともに、「2006年末には提供を開始している」(Stahl氏)という。また、Stahl氏は「現時点でBare Metalは、VMwareとXenへの対応を想定している」と説明している。

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