富士通、μT-Kernel準拠の組み込み用リアルタイムOSを販売開始

目黒譲二

2007-05-16 14:49

 富士通は5月15日、同社の32ビットマイクロコントローラ「FR」ファミリーに最適化された、μT-Kernel仕様準拠の小型の組み込み機器向けリアルタイムOS「SOFTUNE μT-REALOS/FR」の販売を開始した。μT-Kernelに準拠したOSの販売は、業界初となるという。

 μT-REALOS/FRは、小規模な組み込み機器を対象としたリアルタイムOSであるμT-Kernelの仕様に準拠し、テレビ、エアコンなどの家電製品や、自動車メーター、カーオーディオなどの車載製品、産業用インバータなどの組み込み機器に適したリアルタイムOS。FRファミリーのアーキテクチャに合わせたチューニングを行い、カーネルの高速化、省メモリ化を実現している。

 μT-Kernelは、ユビキタスコンピューティング基盤技術の標準化・推進団体T-Engineフォーラムの標準OSであるT-Kernel仕様と互換性があり、T-Kernel上のアプリケーションプログラムをμT-Kernel上に移行したり、T-Kernel上のさまざまなデバイスドライバをμT-Kernel上で利用することができるため、アプリケーションプログラムの開発効率が向上するという。

 μT-REALOS/FR用システム構築ツールを利用してカーネル機能を取捨選択することにより、アプリケーションプログラムに最適な性能とメモリサイズのカーネルを構築することができる。

 また、富士通製の統合開発環境「SOFTUNE Workbench」に完全対応しており、プログラム作成からデバッグまでシームレスな開発環境が利用できるという。

 今後は、アプリケーションプログラムの実行時間、消費電力量など、プログラム実行上のボトルネック要因を解析してチューニング支援情報を出力するチューニングツールを提供するほか、従来のμITRON仕様に準拠した「REALOS/FR」のユーザー向けに、μT-Kernelへの移行を容易にし、μITRON上のアプリケーションプログラムをμT-REALOS/FR上で利用できるμITRON互換APIを提供するとしている。また、ユーザーに合わせてカスタマイズした開発環境を構築できるEclipseベースの開発環境も提供する予定。

 販売価格は、ロイヤリティフリー、1年間の技術サポート付きで、200万円(税別)。出荷時期は7月となっている。

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