「氷山」にも例えられる可能性が形になりつつある「仮想化」

文:Gemma Simpson(Silicon.com) 翻訳校正:株式会社アークコミュニケーションズ、坂野裕史

2007-06-15 08:00

 コスト削減の鍵を握る技術として最高情報責任者(CIO)の注目を浴びる仮想化だが、その可能性の一端が実現されたにすぎないと言われている。仮想化の概念と現在の状況についてQ&A形式で説明し、今後の見通しも紹介する。

--仮想化(バーチャライゼーション)?いかしたヘッドセットを付けてシミュレーションで作られた場所を歩き回り、エイリアンを撃つやつのこと?

 それは以前に盛り上がったバーチャルリアリティの話。今から話すのは、仮想のバージョンの何かを作る、という意味での仮想化のことで、サーバやストレージデバイスとかが対象だ。

--つまりどういうこと?仮想のものなら、現実世界では何の役にも立たないんじゃないの?

 手を伸ばして触れないからといって現実じゃないことにはならないし、むしろビジネスにとっては、ものすごく実質的なんだ。

--じゃあ、実際の例を教えて。

 コンピュータのハードディスクをそれぞれ異なるパーティションに分割したことがあれば、仮想化について少し分かるんじゃないか。この作業では、実質上別のハードディスクを2台作るために、ハードディスクを分割しているんだ。

 この概念が拡張されて、いろいろなソフトウェアが開発されてきた。こうして、例えば物理サーバにはいくつかの仮想サーバを収容できるから、それらの仮想サーバで異なるオペレーティングシステムを実行することもできる。

--でも、現実のものの代わりに仮想のバージョンを用意するメリットって何なの?

 多くの企業は、コストとスペースの面で効率的にITインフラの能力を増強したい場合に、仮想化を検討するんだ。

 企業が仮想化を使う最も一般的な例の1つが、データセンター内での利用だ。仮想化を使うことで、現実のサーバーラックには、複数のサーバから成る仮想化されたイメージがいくつも収容されるから、物理サーバの数を減らすことができる。

 物理サーバの数が減れば、ハードウェアの量が減って電気料金が安くなり、必要な冷却システムも減ることになるね。

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