米国政府がVoIPを台無しに?料金上昇でユーザーの選択は変わるか

文:Deb Shinder 翻訳校正:吉井美有 2007年06月26日 08時00分

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 電話サービスを公衆交換電話網(PSTN)からVoIPへと切り替えることに関しては、コンバージェンスや付加的な機能の恩恵がどれほど語られようとも、大半の企業や個人にとっての最大の魅力はコスト削減にあるはずだ--それはかなり大きなコスト削減につながることもある。

VoIPのコスト優位性の源泉はここにある

 VoIPの方がコストを削減できるという理由の1つに、長距離電話サービスにおける価格体系の違いがある。米国のほとんどのVoIPプランでは、少なくとも米国内とカナダまでの長距離通話が無制限となっている。また、一部のプランでは西ヨーロッパやその他の国々への通話が無制限となっている。

 長距離通話料金が分単位の従量制になっている国への通話であっても、VoIPの1分当たりの料金は一般的に、電話会社の料金に比べると格段に安い。例えば、VonageやLingoのオーストラリアや中国、アルゼンチンへの国際通話料金は1分間当たり1セントから6セントである。AT&TやVerizonの固定電話でこういった国へ電話をかけると通常、その料金は1分間当たり11セントから20セントになる。

 こういった料金は電話会社が決めているものである。しかし、VoIPは電話会社にはどうすることもできないもう1つの価格上の強みを持っている。それは、固定電話線とVoIPラインに対する税制の違いに起因するものだ。

 本コラムで以前に紹介したように、私はLingoのVoIPラインとAT&Tの固定電話線を同じ住所で利用している。税金と、政府が課する料金を合計すると、固定電話線1本当たり月額13.12ドルであるのに対して、VoIPラインは月額3.15ドルにしかならない。

インフラ化したことでVoIPの請求額が上がる

 あなたがどこに住もうと、あるいはどこに会社を構えようと、その場所を管轄する政府のほぼすべてに共通することが1つある。それは、「課税可能なものにはすべからく課税する」という哲学を実践する機会を逃しはしないということだ。VoIPユーザーにとっては残念なことだが、これまで一般的ではなかったために何年も政府の眼を逃れてきたIP電話サービスもついに、潜在的な財源として政府から眼をつけられるまでに成長した。

 その方向への直近の動きは、米国控訴裁判所が2007年6月初めに米連邦通信委員会(FCC)の命令を支持し、Vonageは通常の電話会社と同様にユニバーサルサービス基金(Universal Service Fund:USF)に資金と拠出すべきであるという裁定を下したことである。同基金は貧困層や過疎地域、学校、医療機関、図書館に対して割引料金でサービスを提供するために1990年代に設立された。

 1996年電気通信法(Telecommunications Act of 1996)が制定されるまでは、長距離電話会社がそういった基金に資金を拠出するよう定められていた。同法ではその対象が拡大され、すべての地方電話会社や携帯電話事業者、ポケットベル事業者、公衆電話プロバイダー、州間電話プロバイダーも資金を拠出するように定められた。しかし、ブロードバンドインターネットのサービスプロバイダーやVoIPプロバイダーはまだすべて例外扱いされていたのだった--今回の裁定が下されるまでは。

 もちろん、USFは氷山の一角でしかない。今回の裁定によって、VoIPサービスに対してさらに課税するためのドアが開かれたことになる。連邦政府がVoIPに対して他の電話サービスと同様の課税を行った場合、州政府や地方政府がそれに倣うのはずっと先、などということがあり得るだろうか?

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