Chip and PINが義務化されたすぐ後に、Chip and PINと関連があるとされている有名な詐欺事件もあった。Shellは、顧客の口座から100万ポンド以上が盗まれた後、イギリス国内にある600の給油所でChip and PINの使用を停止するという予防措置に踏み切らねばならなかったんだ。
とはいえ、ShellとAPACSによれば、問題は内部の者による犯行の結果だったので、Chip and PINに関係する問題の深刻さを示す事件だと見なしてはいけないだろうね。
APACSは2002年に、Chip and PINを導入しなかった場合、予測されるカード詐欺が2005年には8億ポンドに達するとも指摘しているので、その点ではChip and PINは成功を収めてきたと言えるだろう。
--Chip and PINは今後どうなっていくの?
銀行業界は、ハンドヘルド型のChip and PINデバイスのような次世代の詐欺防止技術に取り組み、CNP詐欺に対処しようとしている。
MasterCardとVisaが開発したオンラインショッピングやテレフォンショッピングで使う技術は、主なところではAPACS、Barclays、RBSなどに採用されてきている。
--まだ結論は出ていないっていうこと?
そう言えるかもね。でも実際のところChip and PINは、オンライン詐欺の増加などのこれから解決すべきちょっとした課題はあっても、長期的には成功することが目に見えているんだ。